Crown Flowers | ナノ
プロローグ
何かが起こるには何かしらの理由が存在する。
言ってしまえば、この世に『偶然』なんてものは存在せず、必然というものだけが存在している、と思う。
例えば。
火をつければ紙が燃えるだとか、海の水は必ずしょっぱいだとかいう軽いものから始まり、死は必然であるというのも当てはまるだろう。
そして人々はその『必然』に基本反することなく生きてゆく。
その中で、こんな『必然』がある。
クレヨンの沢山の色を一ヶ所に何色も塗り重ねるとどうなるのか。
最終的には、黒。黒く染まってしまう。
そんな沢山の『必然』から出会った彼らの
暖かくて、冷たくて、優しくて、悲しい。
そんなお話。
心に咲いたその花は、真っ黒な、真っ黒な
――――罪の花だったんだ。