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  青峰'sメール

……さて。
保健室とはいえ先生がいねぇ今、動けるのは俺、か。
横から聞こえる霊華の苦しそうな息遣いからして、風邪を拗らせたんじゃないか?


「……あっちいな」


デコに手を当ててはみるけど案の定熱い。
5月とはいえ今日なんかはまだ少し肌寒さが感じられる1日だった。もしコイツの体が弱いなら、体調は崩しやすいだろう。
どうすっか考えては見たけど、どうにもヒトリじゃ出来ることは限られてくる。それにコイツを狙って、またあの馬鹿女共が来るかもしんねぇから、ここから外には出ない方がよさそうだ。
となると、やることは決まった。
俺はメールを馬鹿6人に送り付けた。



赤司side

ブレザーのポケットでバイブするiPhone。
ディスプレイに表示された名前を思わず二度見。
青峰からメールがきた。
……おかしい。あの青峰が、連絡メールへの返信さえろくにしてこないあの男が、しかも自主的にメールをしてくるなんて。
俺はいぶなしみながらも、ヤツからのメールを開いた。



「……そういうこと。」



口からぽろりと落っこちたその言葉が地面に落ちるか否か、その頃には俺は走り出していた。



黄瀬&桃井side

倉庫に響く、カリカリという小気味のいい音。
ひとつ、またひとつとお菓子は口の中へと姿を消していく。
そして、抑えた音量で聞こえる、クスクスと笑う男女の声。
俺とももっち。二人だけのヒミツの時間。
不定期開催の、ささやかなお菓子パーティだ。
育ち盛りな高1男子と甘党女子にとってみればこんなお菓子のひとつやふたつ、すぐに消えてしまう。
今食べているこの限定ポッキー、部活に行けば紫原っちに取られてしまうだろう。だからその前にちょっとだけ食べとこうってことで、んでもってついでに持ってるお菓子でプチパーティにしちゃおってなって。紫原っちや他の人にバレないように、俺ら御用達の倉庫でこっそり。

そんなこっそりこっそりと動く俺らのケータイがいきなり鳴り出した時は、ケータイごときにではあったけどメチャメチャ驚いた。
うぎゃあとか喚いた後で大笑いしたのは二人だけのヒミツ。
に、しても


「二人同時にメールって、誰かなぁ?」


ももっちの素直な疑問は俺の抱く疑問そのもの。
見てみよっす!!と呼び掛けて一斉にメールを開く。
あ、青峰っち…!?という俺の声と大ちゃん…!?という声も見事に重なった。
しかも内容が内容な訳で
カリカリという音は消えた倉庫にバタバタと慌てた音
俺らは保健室に向かった。





差出人:青峰大輝

宛先:赤司征十郎、黄瀬涼太、桃井さつき、緑間真
太郎、紫原敦、黒子テツヤ

件名:頼む

本文:保健室に来てくれ。




<青峰'sメール>







 
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