バルバッド編



聞きたいようで聞きたくない。
そんな気持ちを持ちながらアリババはとりあえず続きを聞くことにした。


「あのさナマエさん…何があったのか聞いていい?」
「いいけど、どんな風に聞きたい?コミカル風?ミステリー風?」
「え、ちょっ、何で聞くだけで選択が出てくるの?普通でいいから」
「つまらなくない?」
「つまらなくていいですから!」


なんだよ今日のアリババはツマラナイなと呟くと、あれは確かと思い出しながら喋りだしたナマエをアリババだけではなくそこにいたジュダルも含んだ全ての人が聞いていた。



五分経過…


「私の気分はまさにインディなジョーンズとして、まるで大海原なら私は海賊にでもなって一世風靡していたらいいなぁなんて思い始めてね」
「へ、へぇ」


十分経過……


「という訳で、食べ物も与えてくれるこの場所に居心地がよくなった私は、もうアリババやカシム達に会わなくてもいいや何て思い始めてしまったんだよ」
「あの、ナマエさん」
「何?ここから生物どもに名前がないと不便だからと名前を付け始めるところなんだけど」
「いえ、そこ必要ですか?」
「沢山いてね、名前って必要だと思うけど」
「いや、そこじゃなくて」
「どこ?」
「その話だけど、先に進んで下さい」
「私の付けた名前気にならない?」
「…後で個人的に聞きますから」


十五分経過………


「アリババ君。ジンはまだ出てこないのかい?」
「俺にもさっぱり。なんだか俺さっきの攻撃の痛みが少しひいてきた気がする。きっとコレまだ長いからモルジアナも座れよ」


二十分経過…………


「ってな感じでジンに泣き付かれてさ。あいつ結構自分勝手でこっちの言葉なんか無視しちゃってて失礼じゃね?」
「え、あ、うん。あれ?」


どうかした?と聞くナマエだったが、どうでもいい話が多すぎてほとんどの人はもうナマエの話を左から右へと流し過ぎたため、まだきっとどうでもいい話をするつもりだろうと思っていた事から肝心な話も流してしまった一同は、え、あれ?なんで泣き付かれたか聞いてなかった状態になったのだった。


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