バルバッド編



「会ったなら話は早いはず」
「あ、早いならもう終盤?トイレ行っていい?」
「ダメ。で、その時にジンから力を貰いませんでした?」
「え、ダメなの?つーか、会えたら何か貰えるの?何それズルい。私何も貰ってないし」
「……ナマエさんが気づいていないだけかもしれない」
「え、貰ったの?ちゃんと分かるようにくれないと気づかないって」
「そーですね。で、こんな模様の入った金属があると思うけど」
「ねーよ」
「答えが早いから、ちゃんと探して下さいナマエさん」


探してるしっていうか、金属なんてお金以外持ってないしと呟くと、そんなはずないですとナマエの服をパタパタと叩くアリババは本日何個目だろうか、また新しいタンコブガ増えたのだった。


「セクハラだからな」
「すみません」


マジでそのマーク知らないけどと言ったナマエの言葉に困り、腕を組んで悩むアリババ。
どうすればいいのか少し分からなくなって何か案が出そうと思案している姿を、トイレまだダメなのかなと思いつつ見つめているナマエの腕を取るのは、驚きと懸念を抱いたような顔をしたジュダルだった。


「おい!ナマエさんに何を!」
「うるせぇ。弱虫は黙ってろよ」
「くっ」
「お前、なんでどこにも王候補の印がないんだよ」
「また新しいキーワードが出て来たんだけど」
「っアイツも持っているあの印だ!」
「だから、さっきアリババにも知らないって言ってその話終わったところだったのに蒸し返すの早くね?」
「そんなこと知らねぇし。つーか迷宮に入って、ジンと出会って攻略して出てきたら王候補だろ!ジンから力を貰ったんだろ!!」


もうマジ何なのと思いながら、険しげにジュダルを見つめるナマエにジュダルは頭を掻きながらなんでだよと呟いてはナマエを上から下まで見つめていったが、やはりナマエのどこにも迷宮攻略し手に入れることが出来る印は何処にもなかった。


「わかった!お前あの印の貴金属をどっかに忘れたか取られたかしたんだろ!シンドバッドと同じで今持っていないだけなんだな!」


そうか、きっとそうだと答えを見つけたジュダルは嬉しそうに頷いていたが、ナマエがバカじゃねぇの?さっきから貰ってないって言ってんのに何でそんな解釈になったし、と言葉にすると嬉しそうな顔を一転させては?とナマエを睨みつけて来た。


「だからジンとかいう青いやつからは泣き付かれはしたが、何一つ貰ってないって言ってるんだけど」


ナマエの言葉にほんの少し間が開いてから、何したんだお前!という言葉が叫ばれたのだった。


前へ 次へ


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -