幼少期編


雨がいっぱい降ったらどうなるんだろうねと少し輝くオーラを放ちながら言い合うアリババとマリアムにナマエは確かねと思い出しながら言葉を続ける。


「えっとね、雨が降るから梅雨って時期があってね」
「つゆ?」
「うん。いつもよりももっと沢山雨が降る時期のことだけど、その時はねジメジメだね」
「ジメジメ?」
「湿気ムンムンだからね、キノコ生えてくるよ」
「はぁ!?」
「キノコ!?」
「どこに!?」
「家に」
「えぇぇ!!でも、いいな食べ物が生えてくるなら」
「でも毒キノコだけどね」
「あ、やっぱりいらないや」


その会話を聞いた瞬間カシムはやっぱりナマエの話に一瞬でも食いついた自分が嫌だと思ったそうだ。
そんなカシムの冷たい視線は知らずに食べたやついるけど死ななかったよと笑いながら報告をしているが、そんなことどうでもいい。
そんなダラダラしているとマリアムは気をきかせたのか、一番一緒に居た三人でいた方がいいよとこっそりカシムに囁くと家へと戻って行った。
残ったアリババは、他はどこが違うの?とナマエに言い寄ってナマエは何処がって言われてもなぁと空を見上げてると、そーいえばさぁと呟くと二人はナマエを見つめて言葉を待った。


「ここの世界の空って綺麗だよね」
「え、空?」
「うん」


ナマエの言葉と見上げている姿につい空を見上げる二人。
傍から見ると空を見上げる三人の姿は平和そうだった。


「ナマエの所って汚いのか?」
「空は青くないの?」
「おいおい、なんか違う捉え方しちゃっているよね。違うよ、ちゃんとナマエさんの所も青い空だからね。ただここの世界は天人がいないからゴチャゴチャしてない一面の空だなって思っただけだからね」


二人の言葉に慌てて訂正を入れるナマエの姿はどこか必死そうだった。


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