幼少期編


そいうえばとアリババは気になっている事を聞くためにナマエに声を掛けると、何お腹すいた?魚でも釣りに行こうかという話の流れを読まないナマエの言葉だったが、みんなしてお腹は空いているので釣りをしに行くことにした。


「ここ釣れるよねぇ」
「そうなの?」
「え知らないの?」
「釣りなんてしたことないよ」
「良かったね知れて。スラム街のすぐ横だし、中心街からは離れているから気軽に来れるし、これでタダ飯がこの先続くねぇ」
「うん」
「ありがとうナマエさん」
「いやいや。もっと感謝していいんだからなら!で、カシムどうした?」
「……別に」
「ブッハ!全然釣れてないし!!マリアムでさえ釣っているのに!もう魚にも分かってんじゃね?あ、コイツの糸を持っている奴性格悪いから食いついてやるものかとか?ダッハハハ…」
「うっせぇよ!つーかアリババ!!お前ナマエに何か聞きたかったんじゃねぇのかよ!さっさと聞けよ!!いつまでも忘れてるんじゃねぇよ!!」
「なっ!?わ、忘れてなんかないもん!」
「お兄ちゃん!」
「フンッ」


図星を突かれたのかはさておき、釣りに夢中になっていたてすっかり当初の目的だったことは思い出すのにしばし時間が経ってしまったが、そうだと思いだしたアリババはナマエへと問いかけた。


「あのさナマエさん」
「んー?」
「ナマエさんってどこに帰るの?」
「そーいえば聞いたことねぇな」
「そっか!場所が分かればまたナマエお姉ちゃんに会えるね」
「んー。場所が分かってもそれは難しいなぁ」
「はぁ?何でだよ」
「だって私この世界じゃない場所に帰るから」
「頭大丈夫か?」


まぁ、反対の立場ならナマエも相手の頭が何とも可哀相な事になっていると結論付けるのだが、自分がその立場になると、こう言いようのない気持ちがこう湧き上がってくる。
まぁ、一言でいえば腹が立つ。
そのイライラを隠すことなくカシムのドレッドヘアーを引っ張るナマエだった。


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