幼少期編


まさかの重大発表に、そんな内容とは思ってもいなかった三人は言葉を理解するのに時間がかかったのか、止まっている。
その三人の姿を見てナマエは、無反応とかちょっと寂しいんですけどぉと思いながら、それにしても今日はいい天気だなぁと考え初めて数秒後に、三人から驚きの声が上がった。


「うわっ。ビックリしたし」
「なんでビックリするんだよ!」
「そんなこと今はどうでもいいよ!」
「そうだよ!」
「え、どうでもいいの?それちょっと悲しい」
「何で!ナマエさんどこかに行っちゃうの?」
「ナマエお姉ちゃん?」
「おいナマエ!ソレどういうことだよ!!」


声を上げた三人のうち、逆ギレしてきたカシムにナマエはイラッとしたのか、カシムの頬を抓りながら、思い出せって、一番最初に一週間後には帰れるって言ってたじゃんか?今日がその一週間目なんだよねと言うと、その言葉を聞いたことがある二人の内アリババはそういえばそんなこと言っていたなと記憶を辿るが、その事実を知らなかったマリアムはヤダと目を潤ませる。

もう一人言葉を知っているカシムは、未だに抓られている手を外すべきか、あんなサラッと言った言葉が本当だと思う訳がないと追求すべきか頭の中でグルグルしているが、いささか見当違いな気もすることから驚いて動揺しているのが伺える。


マリアムに次いで、ついにはアリババも徐々に目を潤ませてナマエに今日のいつ行くの?と聞いてくるが、ナマエは首を傾げて私にも分からないのだよねと言い切った。
自分の事なのにと驚いているアリババに向かってナマエは自分の事が一番わからないものなのだよ。これでアリババも少し博識になったねと言うが、カシムは今回のは自分で分からないとダメな事だろうと言われたが、だって分からないんだもんと膨れるナマエだった。


「なぁナマエ」
「何さ、何度聞かれても分からないものは分からないよ?」
「その事はもういいよ。で、分からないのに帰るってどういうこと?」
「知ーらなーい。でも一週間だって聞かさ……読まさ……アレ?どっちだろう?まぁ、知らされていたし」
「誰から?」
「騒音クソじじい」


いや誰だよと心の中でツッコム三人をよそに多分帰れる直前になんか知らせが来ると思うんだよねと言うナマエに本当かよという疑問が浮かぶが、ここでツッコミを入れても何もならないと思ったのか、誰一人として口に出すことはしなかった。


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