幼少期編


「邪魔するなよ女!コレは親子の問題だ。子供は親のためにどうするか教えてやっているんだよ。なぁ?父親にナイフを突き刺そうとしたクソガキが!!」
「……っ」
「ギャーギャーうるさいんですけど。発情期ですかコノヤロー」
「なんだと?」
「親子の問題ね。親として大事なものを放棄した奴が、調子いい時だけ名乗るなよ。子供を育てたことはないから正しい事なんて私は言えないけど、これだけは言えるね。コレが親が子供にする教育とでも抜かすなら大間違いってことはね!だいたい子供はいつしか親に逆らうものですよ。だから世の中に反抗期なんて言葉があるんだよね」
「それがどうした!子供が親のために金を稼ぐのは当たり前の事だろうが!」
「へぇ、稼ぐね。子供の体で金品を稼ぐことが親のためだなんて教える親なんていねーよ!それなら子供からお金貸してくださいと泣きつくマダオの方がマシだね。あんたから教わること何ざ何一つねーよ。実の父親と言っているけど、それがどうした?血なんざ繋がってなくても母と父と呼ぶ子だって大勢いるんだよ!!正しい事何一つ教えられなくて何が父親だ!そんなものあんたが願っていようがこっちから願い下げだ!そうだろカシム!!」
「!?……あぁ。テメェなんか父親でもなんでもねぇ!!」
「んだとカシム!!」
「だってよ。そんな訳で、どっか行ってくれねぇかな?」


カシム父を睨みつけながら言うナマエに少し顔色を悪くするが、相手も言われっぱなしで黙っていられる人間でもない。


「女だからって、さっきから聞いていれば、舐めてるんじゃねぇ!痛い目合わせて、テメェを売ってやるよ!!」
「うるせぇよ。人一人の人生決めれるほどあんたは偉いんですか?お前それでも○○ついてんのかぁぁ!!」


ナマエに殴りかかってきたカシム父を簡単に木刀でぶっ飛ばすナマエにカシムは目を見開いていた。
ナマエの言葉はどうかと思われるが、それでも気にならないくらいカシムにとって今のナマエは確かにヒーローに見えた。

口から血を流しながら痛みに悶えるカシム父を見てナマエはボリボリと頭を掻きながら近づいて行く。
ナマエの強さを知ってか、内心恐怖を抱きながらナマエを見つめているとナマエは懐から袋を出すと、カシャンと音を立ててカシム父の腹の上に放り投げた。


「その中には、まぁ、それなりの金がある。ただし、それを受け取るなら条件がある。一つは二度とこのスラム街に、バルバットに来るな。二つはカシムとマリアムの父親だと二度と名乗るな。いいな?この二つを守ることがその金をやる条件だ」


ナマエは少し殺気を込めて、今の条件が守れなかった時はお前の○○を潰してからあんたを殺すからなと言った。


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