一回目は意味が分からんくて泣いた。
二回目は一人が怖くて泣いた。
三回目は目の前で人が死んで泣いた。
四回目は殺しをしたのが知り合いやって知って泣いた。
五回目は放送を聞いて泣いた。
六回目はまだない。
きっとこれからも訪れない。
だってさっきから一人になっても、
目の前で人が死んでも、放送を聞いても、
自分の手で知り合いを殺しても、
もう、何も感じへんねん。
感じられへんねん。
泪も...一滴も出て...こない。
枯れてしまったんやろか、俺の泪は。
そうして、気がつくと
俺の周りには誰もいなくなった。
また独りになった。
そして大人の人が来て優勝だよ、と言った。
その瞬間背筋がぞぉーっと凍るのが分かった。
だって振り向くと、
そこには─────......
泪
六回目は自分の犯してしまった
過ちに気がついて泣いた。