眠るのが怖かった。
幼い頃からずっと。
俺の知らない間に、何かが起こりそうで。
目を覚ますと一人になっていそうで。
怖くて泣いてしまう。
でもそんな時、お前はいつも
すぐに俺の傍にやってきて
優しい笑顔で“大丈夫やっちゅー話や“と、
俺の頭を撫でてくれた。
そうすると俺は安心できるんや。
俺が泣いたらお前は
いつでも来てくれる。
ほら、こんな時でも
お前は来てくれた。
仰向けで横たわる俺を見て
お前は深く驚いていた。
でも俺が泣いているのに
気がつくといつものように
優しい笑顔で頭を撫でてくれた。
1つだけいつもと違ったのは
“大丈夫やっちゅー話や“の声が奮えていたこと。
ああ、でももう怖くない。
やっと俺も眠れるな。
きっともう二度と
目を覚ますことはないのだろうけど、
お前が“大丈夫“というのなら大丈夫。
優しい手
だからいつもみたいに
俺が眠るまで、手、
握っててな...。