仲間が死ぬところを見たかったわけやない。
仲間を犠牲にしたかったわけやない。
仲間を殺したかったわけやない。
最後の一人になりたかったわけやない。
優勝したかったわけやない。

ただ、俺らは怖かっただけや。

死ぬことが。

人が死ぬのを、
動かなくなるのを、
この世を去るのを、
目のあたりにしてもうたから。

それが苦楽を共にした
仲間やったから、尚更。

でも、もう怖ない。

少し痛いけど、
苦しいけどもう大丈夫や。

みんなのところへやっとイけそうやから。
それに、大切なものに気がつけたから。
大切なものを守ることができたから。


幼い頃に想い描いた幸せとは少し違うけど、
俺は今 幸せや。

大丈夫。
な、せやから、


「泣かんといてぇな…。」



この世で見つけた愛しい人へ。
君に幸あらんことを。

神様どうか俺の最期の
願いをきいてください。

彼が強くあれますように。
何事にも屈することなく、
強く生きられますように。

出会えてよかった。
最期に見たのが、
お前の笑顔でよかった。


願い


『おおきにな…。』







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