四角関係







nameは本当にいい奴だぜぃ。



さゆのこと応援してくれたのはアイツだけだった。


俺がさゆのことでいいことがあると、
すごく喜んでくれたし、
ジャッカルと付き合いだしたときは
自分のことのように悲しんでくれた。


俺が何か話すといつも
優しい笑顔で聞いてくれた。


いつしか、nameに
色んな報告をすることが
俺の楽しみになってたんだぜぃ。


それなのに...何やってんだよぃ?
お前ら。
俺らは親友じゃなかったのか?



さゆが泣き出してしまったから
俺はすぐにさゆの後を追った。


次の日の朝、俺らはnameを無視した。
そんな簡単に許せることじゃなかったから。



でもnameは俺らに向かって
いつもと変わらず優しくそして、悲しく微笑んだ。



その時からずっとひっかかることがあるんだ。


まず、nameは
親友を傷つけるようなことは絶対しねぇ。


もし、万が一したとしても、
何よりも先に絶対に謝ってくる。

そんなやつだ。




なのに、今は どうだ?一向に謝る気配はない。

...本当にnameは
噂のように無理矢理そんなことしたのか?
いや、まあ実際にこの目で見たけどよぃ。



なんか納得できねぃよなぁ。



































































◇◆



ブラジル旅行も終わり、今日は学校へ登校。
今はなによりnameが心配だ。


時間も経ったし、誤解も解けて
いつも通りになってればいいんだけど。




教室に入ったが、nameの姿はない。


「トイレでもいってんのか?」


さすがに女子便にまで
探しにいくわけにはいかないから、
待っていることにした。


すると、クラスの女子が話しかけてきた。




「ジャッカルくん災難だったねー?」
「?...なにが?」
「ほらnameちゃんのこと!」


あぁ、その話か。
どっちかっていうと災難だったのは
アイツの方な気がするが。



「無理矢理キスされたんでしょ?」
「......は?」


まだ誤解、解けてなかったのか。



ん?っていうか、
無理矢理?なんだ、それは。


「さゆやブン太からも相手されなくなってたけど自業自得だよね!」


さゆやブン太に...?!


「アイツらっ...まだそんなこと言ってのかよっ!」
「え?あ、ジャッカルくん?」




おい、おい、おい、誤解を解くどころか、
状況悪化してんじゃねぇーか。

俺は急いでブン太達を探した。

すぐに見つかった。二人は中庭で話していたから。




「あ、ジャッカル...。」
「nameはどうした。なんで、一緒にいねぇんだよ。」
「おいおい、彼女のことよりnameのこと優先かよぃ?!」
「なんで一緒にいないのか聞いてんだ!」


俺がそう怒鳴ると、
ブン太はちょっとビクっとしてから、目をそらしてこう言った。



「知らねぇよぃ。だいたい学校来てないんだから仕方がねぇだろぃ?」


学校に来てない?


「きっと私達が無視したから...。」

さゆは半泣きでそういった。



マジで無視してたのかよ。
それで?
不登校にまで追いやったのか。

もう、これしか言うことがない。






「お前らは最低...だな、ほんと。」
「最低なのはどっち、なの?私...もう、意味分かんないよ...。」
「そうだぜぃ!お前さゆ泣かして何とも思わないのか?!」
「なんで泣いてるのかが俺には全く分からないな。」
「はぁ?!お前フザけんなよぃ?!お前がnameと...」
「nameとなんだよ?」
「キ、キスしたんだろぃ?!」
「してねぇよ。」
「だからさゆは泣い...え?」
「してねぇっつの。」



そこで少しの沈黙が流れた。




沈黙をやぶったのは、さゆ。



「ジャッカル...してな、いの?」
「当たり前だろ。なんでお前以外とするんだよ。」
「あ...」
「ち、ちょっと待てよぃ。んじゃ、あんときお前ら何して...?」



それは...。


あー...てか、これ言ってもいいのか?
nameの気持ち、俺が言っちまったらダメだよな。


「それは言えないな。」
「なっ!じゃあやっぱり...!」
「俺からは言えないだけだ。nameから直接聞け。」




ブン太は少し戸惑ったあと門のほうを向いた。



「お前の言ったこと信じていいんだな?!」
「もっと前から信じてくれてたらnameもさゆも誰も傷つけずに済んだんだけどな。」
「.........っ。」



ブン太は走って門から出ていった。
残ったのは俺とさゆ。





「これでアイツらは大丈夫だ、な。」
「...?」
「さゆ、勘違いされるようなことになって悪かったな...」
「私こそ早とちりしちゃって...。」
「今から全部説明するから。」
「ええ。分かった。私、ちゃんと話聞くよ。」







人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -