四角関係






私とさゆは学校一といっていいほど仲良しで一番の親友。
お互い信頼し合ってる、
一生に一度出逢えるか出逢えないかくらいの大切な存在。
それが私とさゆ。


テニス部のジャッカルとブン太はそれの男版ってとこかな。



この4人はとても気があって中学に入ってからいつも一緒にいた。
さゆとブン太が小さな頃からの
幼馴染みだったのが4人が仲良くなるきっかけだった。



だからだろう。ブン太は惹かれていたの。
かわいくて、穏やかで心優しいさゆに。


それでも、私はブン太が好き。
伝えるつもりはないけれど、
貴方を好きでいよう そう思っていた。




ブン太に恋の相談をされようとかまわない。
貴方の役に立てるなら、貴方の側にいれるなら、
この4人の関係を繋ぎ止められるなら。


でもそんな私にもチャンスが訪れた。


さゆとジャッカルが両思いになった。


二人はすぐに付き合い始めた。


ブン太には少し悪いけど、
私の気持ちは関係無いとして、
私はこの二人はお似合いだと思うの。




案の定、その日ブン太はかろうじて、
二人の前ではこらえていたけど、
私の前ではずっと泣きそうな顔してた。


だから、私 決めたの。


私がブン太を支えていこうって。
私ならブン太にそんな顔させない。
私がブン太の悲しみは私が背負うよ。


そう、ジャッカルに言ったら、「男前」って笑われたけどね。



決めたから。
ブン太に好きになってもらえるように頑張るの。

























今日もさゆとジャッカルは二人でラブラブ登校。



「「おはよう、name。」」
『あ、おはよう、さゆ!』
「は?俺は?!」
『あはは、冗談じゃん!おはよう、ジャッカル♪』



いつも通りの変わらない朝。
なんでもないことだけど、こんな毎日が私の幸せ。

そしてそろそろ彼が来る。



「おーい!おはよーぃ!!」
「あっ、ブン太ぁっおはよー♪」
「えっお、おはよう」



さゆの笑顔に
彼氏が目の前にいるにも関わらず思わず頬を染めるブン太。


この光景にも、もう慣れ...るはずもなく、毎朝胸が痛くなる。

でも、大丈夫。
長期戦は覚悟してるから。




『そ、そうだ!今日は昼休み委員会だよね!』
「ん、あぁ。そうだな。」


ジャッカルが返事を返してくれた。


「あー、ジャッカルとnameは同じ委員会だもんな!!」
「そっかぁ。じゃあお昼は私とブン太と先に食べとくね?」



視界の端でブン太の嬉しそうな顔が見えて、
また胸がきゅー...となった。



『うん、ごめんねー。』
「いいの、いいの委員会頑張ってね。name!あとジャッカルも!」
「俺、つけたしかよ?!」
「冗談だよー!ジャッカル大好きだもん」



視界の端で今度は寂しそうなブン太を見ても
また胸がきゅー...となった。






◇◆昼休み




ピンポンパンポーン



《5分後に委員会を始めます。

まだ教室を出ていない委員は

すぐに会議室へ向かいなさい。》



ピンポンパンポーン...。





『きゃぁっ忘れてたー!ジャッカル早くしてーっ!!』


私は急いで開けかけていたお弁当のフタを閉めた。


「俺かよっ!俺は覚えてたっつーの!」
「もし遅れたとしてもお前の代わりに怒られてやるぜ?このジャッカルがっ!」
「結局俺なんだな?!」
「ふふ、頑張ってね、ジャッカル」
「さゆまで...」


そんなこんなで
ギャーギャー言いながら、急いで私たちは教室を出た。



といっても会議室は
同じ階で結構近いから、早歩き程度だったけど。



『ジャッカル、今日の定食何だったっけ?』
「...それ今必要な情報か?」
『うん!』
「...プレーンオムレツ。」
『マジで?!委員会終わったら行こうよ!』
「お前...お弁当持ってなかったか?」
『ブン太の前に置いてきた時点でもう私のお弁当は無事ではない。...まあ、運良く残ってたとしてもその弁当晩御飯にでもするから。』
「まあ、いいけどよ。」




それに、最近ジャッカルと
二人で話す機会がなかったから。

相談したいわけですよ、色々と。
私の好きな人を知ってるのは唯一ジャッカルだけだしね。



『よし!じゃあ委員会なんてさっさと終わらせるよーっ!!』
「今日は説明だけだから元々そんなに長くないんだよ...。」
『あ、そうなんだ。』



そうこうしていると会議室に着いた。
しゃべりながら来たからちょっと遅れたけど。






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