赤也vs






小さな男の子が今、私の部屋で
すーすー、寝息をたてている。

この子は私の彼氏……。

まず、言っときますが、
私はショタコンではありません!




『ちょっ?!ブン太?!』
「んー?」


『なんで小さくなってんのーっ?!』




とりあえず、整理をしようか。



ブン太が私の家に遊びに来て、
おしゃべりしたり、ゲームしたり。

で、その後ブン太が持ってきたお菓子を二人で大量に食べて…
お腹いっぱいになったからお昼寝をしてたんだ。


で、起きたらブン太が小さくなってた…と、いう…ね。



ありえない。




ブン太は身体だけ小さくなってるんじゃなくて、
記憶まで幼くなってる。




『ブン太。私のこと分かるー?』
「nameちゃぁん♪」





かっ…かわいいっ///




「何歳なのー?」
『いつちゅっ。』


でも、ブン太の指は3本しかたっていない。


『そっかぁ…。』


間をとって4歳ってことで。


これから、どうしようかなぁ…。
どうやったら戻ってくれるのかなぁ。


そんなことを考えていると制服の裾を引っ張られた。



「 nameちゃんおそと、あそびにいーこーうー。 」


うん、やっぱ、戻らなくていいや。



『よーし。じゃあ公園行こっか!』
「うん♪」



近くの公園に行くと、
幸村と真田と赤也とジャッカルがいた。


勉強会らしい、赤也の。



何でいい歳こいて、
公園で勉強会なんてしてるんだ
というツッコミは受け付けません。





「あ、name先輩!」
『こんちはーっ、赤也。勉強会かーい?』
「そうだよ、赤也の英語の点数が悪すぎてね。あんな点数どうやったらとれるんだか、俺には理解できない。」


こわ、幸村こわ!!
赤也、半泣きですよ。




『真田たちも大変だねぇ。』
「うむ…。」
「ところで、nameその子は誰だ?今日はブン太と遊ぶんじゃなかったのか?」


さすがペア。
パートナーの予定は把握済みってわけね。



『この子はブン太だよ。』
「「??」」
「な、名前が同じとか,すげー、偶然だなっ。」
『違う、違う。この子、丸井ブン太だってば。』
「え?!!」



信じられませんよね。

私も信じられません。

でも、現実です!





「俺、丸井ブン太!いつちゅっ!」



あぁ、また指3本…。





「えっちょっ、この子が丸井先輩なんスか?!」
『うん、そうらしい…の。』
「すげーかわいいじゃないスか!丸井先輩一緒に遊びましょうよ!」


なんか、変な状況。


「おれは丸井せんぱいじゃないもん。ブン太だもーん。」
「え?それってブン太って呼べってことスか?」
「うんっ。」
「よしっ。じゃあブン太、木登りでもするか?俺が持ち上げてやるよ!」
「わーい!やったー!赤也、大しゅきーっ!!」






「完全に我々は蚊屋の外だな。」
「アイツ勉強しに来たんだよな?」
『わーん。赤也に負けたぁー。』
「ふふっ。僕も負けてられないね、部長として。」
「なんなのだ?!そのプライドは。」
『私だって彼女として 負けてられないっ!!覚悟、赤也!』
「どうやら、僕らの利害は一致しているようだね、name。」
『そうだね、幸村。やろうか。』






ー赤也からブン太を取り返す作戦をー






「ジャッカル…帰るか?」
「いや、コイツらを残して帰るのは危険だろ…」
「……そうか。」









◇1


「ブン太ーお菓子だよー。」
「「(餌付け?!)」」
「わーいっ赤也も一緒にいこー♪」
「赤也のはない。」


即答…!

幸村…なかなかやるねっ。



「えー?じゃあおれのぶんあかやにあげるよー。」



えっまさかの展開。

あぁー!気づいて赤也!
幸村の後ろの黒いオーラに!!!


「マジ?!ありがとなっ」
「はい、あーん、」
「あーん。」
「『イラッ……』」










◇2


そ、そうだ。
ここにいるから、赤也をとられるんだ。


『ブン太ー。おうち帰ろーっ。』
「まだあかやと遊ぶーっ」


くっ。そうきたか。
小さなブン太あなどりがたし!


なら、大好きなテニスでつるかっ!!!



「ブン太、テニスしようか?」
「あかやー、テニスするってー」


真田とジャッカルはいつの間にか帰っていた。
(呆れて。)



その後ありとあらゆる作戦を試したが惨敗。














『ブン太ぁー。』
「ちょっとまってぇあかやと遊んでるからー」
「くっ。赤也なかなか強者だね。」
『…もう、私帰る。』
「え?」
『ブン太、ちゃんと送り届けといてあげてね。』



遠くで赤也とブン太の笑う声がきこえてきた。













あんな小さな子に妬いちゃうなんて、バカみたい。
しかも、相手、男だし。

でも、それでも、やっぱりイヤだったんだもん。

私がいるのに赤也ばっかりで…




『ブン太のバカ…』











































「うっ…ふぇっnameちゃーん」
『?! ブン太?!』



振り向くと、大泣きしたブン太がついてきていた。



『どうしたの?!赤也と遊んでたんじゃないの?!』
「nameちゃん、置いていったらイヤだぁよぉー。」
『…!』
「おれのこと、嫌いになったのー?! 」



何やってんの、私。
こんな小さな子泣かせて。



『そんなことない!!!ブン太のことは大好きだよ!!!』
「ほんと…?」
『もちろん。』
「うん!おれもだいすき!」



そういって、ニッコリ笑った。

さっきまであんなに大泣きしてたのに。



私は何を不安に思ってたんだろう。
この子はこんなにも
私に好意を向けてくれているのに。






『ブン太。』
「なぁにー?」
『んじゃあ帰ろうか。』
「だっこー…」
『はいはい、いいよ♪』



抱き上げるとブン太はすぐに寝てしまった。




『かわいーなぁ、もう。』



ちゅっ。




ぷにぷにしたブン太の頬っぺたにキスをした。





『う、っわ?!ちょ、え?!』


ブン太がどんどん重くなっていく。

もしかして、

ブン太の身体が元に戻りだしてる?!!





『わっ。ちょっブン太、戻ってる…てか、おもーいっ!!』
「んー。」
『起ーきーてぇーっ』




重さに耐えきれず私は座り込んだ。




『ブン太起きてっ!!』
「んー…んっ?!」


起きた?!

ブン太は状況がうまく理解できないようで
あたりをキョロキョロと見まわし始めた。




「んー…あれっname?!あれ?!俺、何して…」




ブン太があたふたしてるのをみて、
なんだかさっきまでの自分がバカみたいに思えてきた。

いいや、もう。今日のことは!
ブン太が大好きだってことには変わりないんだから。




『ブン太大好きーっ!!』
「わっ?!いきなり抱きつくなよぃ?!ここ、道ばただぞ?!」
『えへっ。ブン太、好きっ!!』
「ちょ…マジでなんなんだよぃ」
『ブン太はいつでも私のことが好きなんだねーっ』
「////?!何の話?!」
『えーっ。今日実感したー。』
「何があったんだ、今日?」
『秘密ーっ。』
「????」





∵あとがき
 アンケートから中学生ヒロインと、4〜5歳のキャラ
 というリクエストがあったので、書いてみましたー!

 あと、立海の人気投票、
 これを書いた当時、1位がブン太だったので…。
 
 執筆 2012.05.08
 修正 2014.03.26




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