present | ナノ

『nameちゃんははにかむ笑顔が可愛いね』

『nameちゃんの落ち着いた感じに癒されちゃうなー』

『nameちゃん、今から俺のことキヨって呼んでよ。他の人もキヨって呼んでるけど、nameちゃんには特別そう呼んでもらいたいな』

千石君は女の子が大好きです

私も女の子なのでこんな風にいろいろ言ってくれるから
嫌な気持ちにはならなくて

逆に話しかけられる前から好感を抱いてたから
嬉しくてしょうがなかった

だからたくさん話しかけてくれている千石君に相槌はしてたし
結構楽しくてお互いに笑ったりもしていた

だから
真剣に好きだけどこの関係が終わりそうなのが怖くてですね

周りの女の子と同じように
冗談交じりで

『私、千石君好きだなー』

まるで、本気じゃないけどねと保険を掛けるように
笑ってごまかしながら胸いっぱいになったこの思いをニュアンスは違うけど雑談している合間に挟んだら

笑っていたのに千石君は何かを言おうとした口をキュッと結び少しだけ悲しそうな眼を向ける

『ごめん、nameちゃん』

いつも他の子には笑って
『俺も好きー!』とか
『照れちゃうなぁ』と、嬉しそうに返すのに

今は気まずそうに顔を俯ける千石君

『冗談だとしても……返事はくれないんだね』

あの子たちみたいに本気じゃなくていいから笑って答えてほしいのに

千石君はいつもの雰囲気とは違い
ただ黙って私とは逆の方を俯いたまま小さな声で謝った

次の日
千石君は少し元気なさそうに女の子に挨拶をして自分の席についてた
席が遠くてよかったー
フラれた後ってなんだかホントに一つ一つに泣けてくる
やっぱりいつもみたいに挨拶出来ないんだろうな

少し泣きそうになって
涙がこぼれないように上を見上げたら
千石君がまたあの真剣な顔をして立っていた

「…おはようnameちゃん」

「……おはよう」

気づかれないように顔を下へ向ける

何で来たんだろ

ふったことへの罪悪感?

(何を考えているんだろ…)

「昨日は、ごめん。」

「別に大丈夫だよ」

「nameちゃんお願い、キミの一限目俺に下さい」

「え、でも今日は自習じゃないよ」

パッと見上げると千石君は泣きそうな顔

「せ、千石君!?」

慌てて立つと千石君らしからぬ強引さで空き教室まで引っ張られる
な、なにが起きてるの

「千石君?」

空き教室についてから黙ている彼は少し深呼吸をして

「昨日の、続きを言いたいんだ」

「続きって… もうあれで話は終わりになったよね」

「俺は女の子ってさ優しくて可愛くて柔らかくて甘い匂いがして好きだから皆と仲良くしてるんだ」

「うん、見てたらわかるよ」

「だから、皆が可愛くて好きだと思ってたのにnameちゃんの時は違ってね。
話せば話すほど楽しいし、俺を見つめて頷いて話を聞いてくれることが嬉しくて、ときたま苦しくなるけど、くすぐったいこの感情に戸惑っていたんだよ」

だって、初めてだったから
好きと言われたらいつもみたいに笑顔で返せると思ってた

「それならどうして、」

「キミの“好き”は特別に聞こえるけど俺の“好き”はみんなに使ってまるで挨拶だ」

特別な人に皆に使った言葉を言っても伝わらない

そう言ってまた千石君は唇を噛みしめた

「千石君、思っていた以上に優しいね」

「そんなことないよ、nameちゃんが大切な人なのに肝心なことが伝えられない」

「挨拶じゃないよ」

だって他の子とは違う感情だって事が分かったから
それだけで私にとってみたら特別な言葉だよ

「ね、キヨ君言ってみせてよ」

「nameちゃん……キヨがいい」

「キヨ、」

「nameちゃん!!」

彼はさっきまでの悲しそうな顔から一遍して走ってこっちに飛びつく

「nameちゃん!ずっとずっと前から好きです!!これからも！」

だから、俺にもう一度あれを言って下さい

「私も好きです、好きでいてくれてありがとう」

嬉しくて笑えばまだ抱きしめてる千石君が何度も頷いて
「浮気しないから…!」なんて言うからもっと笑ってしまった。

「ちょ、ちょっとnameちゃん!」

「ごめんごめん。うん、期待してるよキヨ君」

「キヨって言ってよー!」

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最近、千石夢の良さに目覚めまして←
リクエストさせていただきました！

カツムギ様の千石は
いっぱい名前を読んでくれますね。
それだけでもうｷｭﾝｷｭﾝです(〃ω〃)
いつも女の子に言い寄ってる千石が
自分にだけ真剣になってくれてるなんて…
そりゃ落ちちゃいますよ←

かっこいいです！かわいいです！

素敵な千石夢ありがとうございます(´つヮ⊂)!!

林檎(旧：雅)