03





『日吉、おはよーっ!!』
「……おはようございます。…ってもう昼ですけどね。」



日吉のノリツッコミいただきました。


今は部活が始まる直前。もちろん、チョタに会いに来た。
昨日はあのままチョタは来なかったからね。
色々聞きたいことが溜まってる。

みんなそうだろうけど。



『チョタは??どこにいるの?』
「…鳳、今日来てないんですよ。」
『え…?』



来てない…?!なんで?!

…なにこれ、本格的に
ヤバイ展開になってきてないか?



『ウソ…なんで。 みんなはもう知ってるの?』
「いえ。今から 言いにいくところです。」
『早く跡部に伝えにいこうッ!!』
「はい。」



私と日吉はダッシュで 部室に向かった。



…ていうか、日吉、足速すぎ。
私だって足は速いほうだけど、女だし!
そういうとこ気をつかってほしいもんだよ、まったく。

そうこう色々不満を考えているうちに部室に着いた。



「…全部、口に出てましたけどね。」
『…え?』
「いえ。」


何か言っていた気がするけど…。
まあ、いっか。


今はチョタの問題の方が先だ。

私は部室に入るやいなや 大声で叫んだ。




『跡部!!チョタのことなんだけど!!!』
「あーん? 今はそれどころじゃねーんだよ…」



チョタのことをそれどころじゃないって…。
ひどくない……?同じ部活の仲間でしょ。

…でも雰囲気が少しいつもと違うことが感じ取れた。



『…どうしたの?』



何かあったとしか思えない空気。

チョタのも重要だけど、こっちも結構重要、なのかな?



「アイツがいねーんだよ。」



アイツ?あれ、チョタのこと?



『アイツ…とは?』
「…樺地や。」


答えてくれたのは侑士だった。


…樺地?

たしかに周りを見渡したが樺地の姿はどこにもなかった。




『まだ来てないだけじゃないの?』
「アイツは朝からいつも一緒に俺様といるんだ。」
『たしかにそうだね。』
「なのに、今日は 1回も見てねぇんだよ」



そういえば、跡部の横には いつも樺地がいた。



『休みとか遅刻という 可能性はないの?』
「まあ、ないやろなぁ…樺地、熱あっても来てたし。」


何、その根性?
そんなに跡部といたいの?



「鳳も今日来てませんよ。」
「?!」


あ、そうだった。
私と日吉はそれを伝えにきたんだった。


「ウソだろ?!なんでだよ!」


1番に食いついたのは宍戸。
あんなに、心配してたもんね。



「朝、俺のところに来ねぇから変だな、とは思ってたけど……。」
「テニス部の2年が2人もおらんよーなったっちゅーわけやな。」
『2年…。』



たしかに、2人とも2年だ。…ってことは日吉危ないんじゃ。
日吉の方を見ると"何ですか?"って、少し睨まれた。



「俺より忍足さんの方が心配ですよ」
『は?なんで、侑士が。』
「だって鳳も先輩も幼j…いや、 小さい女の子に会ったんでしょう?」
『うん。』
「忍足さんの趣味に あてはまりそうですし。」
『…あぁ。』
「いや、あぁ…って何?!俺はロリコンとちゃうわ!!」



ロリコンなんて、一言も言ってないのにねー。
自爆、忍足おつかれ。



「笑い事じゃないC」
「そうだぜ!!日吉気をつけとけよな!!」
「俺様のSPつけてやろうか?」
「…いえ、結構です。」



日吉は大丈夫そうだけど…。
うー…ん。やっぱり心配だよ。

…ていうか、私も女の子に会ったのになんで無事なんだろう?

やっぱりあの子は関係ないのかな?



まず、私が見た女の子と宍戸が見た女の子が
同じかどうかも分かってないわけだし。



考えすぎだよね。 うん、きっとそう。

チョタと樺地もたまたま、体調が悪い日が重なっただけ。


明日には2人とも何も無かったように来るに決まってる!!
昨日だって樺地元気だったし!
















…ん?昨日………。あれ。



昨日、樺地、 ケーキパーティに来てたっけ…?
いた、よね?



『樺地っていつからいないの?』
「そりゃ今日の朝から……いや昨日の……、あ?いつからだ?」
「そういや樺ちゃん ケーキパーティにいなかったC〜。」

やっぱり昨日、樺地いなかったんだ!


「車乗るときはおったで。 跡部のためにドア開けとったしな。」
「でもその後車に 乗ってないと思いますよ」
「たしかに、そっから見てねぇな。」
『はあ?! おいてけぼりにしちゃったのー?!』



ひどー…。
そんなことしたからグレてるんじゃないの?



「いやでも車出るまでに 少し時間あったぜ?」
「たしかにそうやわ。 すんごい女子の波やったからなぁ。」


なるほど。想像ができる。
車の出られないほどの女子たちが。



『じゃあその女子の中に埋もれちゃったとか?!』
「さすがに車から1mくらいは みんな離れてるやろ。それに 樺地、埋もれるような体格か?」
『……そっか。』



じゃあなんで、 車に乗らなかったんだろう?



「そういえば樺ちゃん、 誰かと話してたC〜。」
『「?!」』
「それ先に言えよ、ジロー!」
「A〜。ごミンねっ。」
『誰とお話ししてたかは見えた?』
「うー…ん。なんか 小さな女の子だったと思う……。」
『「……………。」』



ヤバい、ヤバいよ。これ。
心霊現象?なんなの?!
やっぱりあの子、関係あるよ。 間違いなく!!



「…なんだよ、この状況。」
『ど、どうしたらいいの?』
「どうしようもないですね。」
「クソクソマジでなんなんだよ!」
「あーん?そんなの、ソイツについて行かなきゃいいだろーが。」



たしかに、私達はそれで被害が防げるかもしれない。

しれないけどっ……。


…じゃあ、あの2人はどうするの? ほっとくの?
いや、そんなことしない。
…でも、どう助けたらいい?

居場所も分からないし、ケータイも繋がらないし。



結局その日は何の結論も
出ないまま解散となってしまった。



『んじゃあ、また明日ね…。』
「待て。」
『??』
「全員分の車を 用意するから、それで帰れ。」
「え、ありすだけやないん?」
「当たり前だ。何か文句あんのか?」
「いや、ねぇよ。 備えあれば憂いなしっていうしな。」
『ありがとう、跡部。』
「はっ。かまわねぇよ。」


門を出るともうすでに 車が止まっていた。



"お待ちしておりました。" と、
男の人が出てきてドアを開けてくれた。


跡部に感謝しないとね。これで当分は安心だ。

よかった。




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