ペテンにかけようか






だから、嫌なんじゃ!
親衛隊のやつら………。


走っている途中に
女子のかたまりとすれ違った。




「ちょっ、あれヤバいよ…」
「やりすぎたんじゃない……?」
「だ、だったてまさかあんなことするなんて思わないじゃん…」
「黙ってれば大丈夫だって!」
「どうせ誰も見てなかったんだし…」
「それに、あれは私達がやったんじゃないじゃん!」
「自分で刺したんだし…!」
「そーだよ、うちら関係ないって…」




自分で刺した………?
何の話じゃ?  まさか、な。




裏庭に着くと隅のほうで
人が倒れているのが見えた。




「name?!!!!!」



nameはぐったりと座り込んでいて、
腹部から大量出血していた。

近くには血がべっとりとついたナイフも落ちていた。



「おい!name!大丈夫か?!しっかりしんしゃい!」



俺のせいだ…!
ちゃんと突き放してやらなかったから…




『ん?あれ…仁王じゃん!!』
「……へ?」


自分でもビックリするくらいすっとんきょうな声がでた。



『なにしてんの?こんなとこで。』
「お、お、お前さん…それ。」
『え?あぁ、これ?これ血のりだよーん。』
「はあ?!」
『なんかね、呼び出されて殴られそうになったからお腹刺したフリしてやったんだー!』
「…………」
『血のり出すタイミングもばっちりだったと思うんだー♪自分でいうのもなんだけどね、完璧。』
「…………」
『仁王、ペテンかけれるような子が好きっていってたから、昨日結構勉強してみたんだけど。』
「…………」
『そしたらいきなり、もうその成果を発表できる機会に出くわしちゃったからさ。
「…………」
『ねぇ…こんな感じでいいの?合格ライン?私のこと少しでも好きになってくれた?』




「…プッ。」
『え?』
「プッ…アッハッハッッ!」
『えー?!なんで笑うの?!』
「こりゃ、傑作ぜよっ!」
『??』
「参った。」
『え…?』
「合格じゃ。」
『うそ?!本当に?!』
「あぁ、おまんには敵わんぜよ。」



そういって頭を撫ででやったら、
愛らしい笑顔が返ってきた。




『やったー!頑張ったかいがあったよー仁王大好き!!』
「知っちょる。」



お前さんなら、
ちょっとやそっとのことじゃ大丈夫そうじゃな。

ほんと、大した女ぜよ。
もう今度は一生離さん。

覚悟しちょれよ。


























うん…でもまあ、


「…とりあえず、その赤いの何とかしんしゃい。」




































◇◆おまけ


「そういえばname。血糊なんてどこで手に入れたんじゃ」
『んー?忘れたー。結構前から持ってたから。』
「(結構前から??)そうか…」
『なんか楽しかった☆またやりたいな。もう一回呼び出してくれないかなー』
「…もうないと思うぜよ。」
『えー…。そんなー。』
「(呼び出しを喜ぶ女なんて初めてみた気がするんじゃが。)」
『ま、いいや。今度は仁王になんかペテンかけてあげる。』
「ほーぅ。」
『どんなのにしようかなぁー。(ニターッ)楽しみにしててね。』
「…あれ、なんか寒気が。」
『今度はもっと血糊の量増やそうか。あれ、なんか楽しくなってきた…私、結構ペテン師に向いてるかも。』
「や、やっぱり、ペテンかけれるような子じゃなくて、純粋な子が好みぜよっ!」
『え?!そうなの?!じゃあ私ペテンやめる!』
「ホッ…」



『(なーんてね、ふふっ♪)』





∵あとがき
 一度でいいから、血糊でみんなを驚かせたい…
 という私の勝手な妄想をかいてみました。

 やっぱ驚かせるなら
 ペテン師こと、仁王だろ!てことで。
 いやー、楽しかった。


 執筆 2012.05.20
 修正 2014.03.21



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