見た目と中身
部活に来ると亮が
一番に駆け寄ってきてくれた。
「name!」
「どうしたの、亮?」
「お前もう大丈夫なのか?」
「何が…?」
「ほら、長太郎のことでずっと元気なかったからよ…。」
「あ、あぁうん。もう大丈夫だ…よ?」
長太郎は最近の私と亮のやりとりを知らないもんね…。
少し、かたことだった。
「そうか、ならいいんだ。」
「……。」
「今日は送って行くから!部活終わるまで待っててくれよ。」
「うん」
こんなに近くに亮がいるのに。
話せないなんて…。辛いな。
でももう、これからずっとこうなんだ……。
《長太郎、身体返してよ。》
「……嫌です。」
…だろうね。
◇◆
「name待ったか?」
「ううん、全然。」
「そうか、んじゃ帰ろうぜ!」
そういって2人は歩き出した。
……3人なのかな?分かんないけど…
「なぁ、俺今日ずっと思ってたんだけどよ、」
「……?」
「お前なんか変だぜ。」
「<?!>」
「なんかわかんねぇけどよ…いつもと違うぞ?」
《亮…気づいてくれてるの?!》
「そ、そうかな?どの辺が??」
「うー…ん。そう言われるとわかんねぇんだけどな……」
亮は考え込んでしまった。
「宍戸さ…「あ、そうそう、なんかな…!」
「?」
「今日のお前、なんか長太郎に似てる!!」
「え?!」
「…………。」
《長太郎……》
「あ、悪ぃ…。思い出させちまったな…せっかく、元気になってきたのに…。ごめんな!今のは忘れてくれ……!」
私と長太郎の見分けつけてくれてたんだ…
「宍戸さん……」
「ぇ?」
<え、長太郎?!>
「すみませんでしたッ!!!!」
「?…おい、何がだよ?」
「私…いや、俺、nameじゃないんです!」
「はあ?!」
《え、長太郎…何言ってるの?!》
「いつもいつも宍戸さんはnameばっかり見てて……俺、羨ましかったんです!」
「………??」
「でも…」
「……お前、もしかして」
「でもちゃんと俺のことも見ててくれてたんですね…」
「長太郎…か…?」
「もうここに未練も何もありません…今まで色々すみませんでした。あと……本当にありがとうございました。」
《長太郎……》
「name先輩もすみませんでした……あなたを守ったことを差し引いてこれはチャラってことにしてもらえますか?」
《当り前でしょ…長太郎……バカ。》
「ふふ、なら、よかった…」
「name…だよな?」
『うん、今はね』
「大丈夫か…?……色々、さ…」
『亮……』
「ん?
『気づいてくれて、ありがとう』
「………おう」
長太郎、今度は安らかにちゃんと成仏できますように。
あなたのおかげで亮がどれだけ私のことを
見ていてくれたか分かったよ。
ちょっとだけありがとう。
『亮、大好きだよ!』
happyend
∵あとがき
長太郎ごめんなさい。
だいぶ悪いやつにしちゃってごめんなさい。
てか身体乗っとるとか現実味、なさすぎですよね。
宍戸の夢なのに、全然、宍戸出てないし
執筆 2012.04.08
修正 2014.03.21
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