見た目と中身
《長太郎もういいでしょ?!私の身体返してよ……》
「何言ってるんですか?返すわけないでしょう。」
《もう部活の時間だよ…?》
「だから何?俺だってマネージャーの仕事ぐらいできます。」
もぅ何を言ってもダメだ…。
長太郎は部活が始まるとすぐに亮のところへ駆け寄った。
「おぅ、nameじゃねぇか。どうしたんだよ?」
「亮に会いたくって♪」
そう言って亮に抱きついた。
ちょっと、長太郎!?
やめてよッ…私の亮に触らないでッ!!
「なっ?!name……///」
「へへ、部活頑張ってね!!」
……亮、私じゃないって気が付いてない?
ねぇ、それ長太郎なんだよ?
「クス、宍戸さん、name先輩じゃなくてもいいんですね。」
《な…そんな……ことッ…》
「ないって言える?」
《………。》
「残念でしたね。あなたはもう必要とされてない。」
《………亮。》
必要とされてない…か。
そうなのかな…。
私…親にも気づいてもらえなかったもんね。
いらないのかも…。
「亮ー♪」
「おぅ、nameか!」
私じゃない私が叫ぶ。
話す権利も、動く権利も選択権も、拒否権も身体も何もない。
存在だけ。
これから一生私は何もできず、見ているだけの
私の人生を歩んでいくの…
badend
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