宣戦布告といきますか
◇◆放課後のクラブ
「……ってことがあってたからよ、侑士も気をつけてやれよ」
「ほんまかいな?!…friend name大丈夫やったんか?」
「うん、nameが助けてくれたから…」
「そぉか、おおきにな、name」
そういって侑士はnameの頭を撫でた。
『…うん』
その一部始終を見て俺は分かってしまった。
気づいてしまったんだ。
………nameが侑士のことを好きだってことを。
「じゃあ俺らはもう行くな!」
「は?どこにだよ?」
「デートや!」
『ふふ、いってらっしゃ〜い♪』
なんでnameは笑っていられるんだ?
侑士カップルがデートに行ってしまったから
今、俺はnameと二人きり。
「……なぁ」
『ん?』
「お前さ、侑士のこと好きなんだよな?」
『??!』
やっぱり………
「なん…『絶対言わないで!』
「?」
『あの二人には絶対言わないで!!!』
「……言わねぇけど」
『やっと上手くいったのに邪魔したくないの……』
なんだよ、それ…
自分のことはどうでもいいってのか?
「それでいいのかよ?」
『もちろんだよ!大好き人同士がくっつくなんてこれ以上の幸せはないよ!!』
「……」
どんだけお人よしなんだよ…
俺なら絶対やだね。
もし侑士にnameをとられたら
力ずくでも奪い返してみせる。
もっと自己中になってもいいと思うけどな。
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