妬かせてみたかったんです






長太郎を妬かせたい。



これは付き合い始めてからずーっと思ってること。
でも長太郎って全然妬いてくれないのー!


優しすぎるんだよーっ。
少しくらい束縛してほしい。

少しだよ、少し。


だって他の男の子と話してても別に何もないし、
電話とかメールとかもほとんど私からだし、
本当に好きなのかなーって時々思っちゃうんだ。


だから今日は"長太郎を妬かせよう作戦"をやってみようと思うの♪


ってことで長太郎のペアの宍戸先輩に相談しよう。



「それ、やる必要あるのか……?」
『あるよー!』




あ、ちなみに私は男子の先輩には敬語使ってません
全く敬ってませんから。





「好きでつき合ってんだからよ、今更、確かめる必要あるか?って…」
『好きだから確かめるの!』
「…?」
『……だって不安だよ。長太郎モテるんだから…』



もし好きじゃなかったらイヤだもん。



「不安にならなくても大丈夫だと思うけどな」
『……』
「まぁ一回やって気が済むならやればいいんじゃねぇの?」
『うん。先輩にも何かしらの協力はしてもらうからね!』
「はぁ?!」



よし、協力者一人GET☆






「俺も協力したるわ。」


振り向くと忍足先輩がいた。



『忍足先輩?!……と部長。』
「あ〜ん?なんで俺様がつけたしなんだよ。」



忍足先輩より背が低くて見えなかったからです。


なんていえないけど…



『協力はありがたいけど忍足先輩が何かしたら絶対に嫌な展開になるから、いい。』
「ひどない?!」



キーンコーンカーンコーン



『あ、やば。授業遅れる!ってことで宍戸先輩おねがいしたからね!』



そう言い残して、私は教室に戻った。



「…俺まだ許可してねぇし」
































◇◆授業中



妬かせるって言ってもなぁ…
何したらいいんだろう?


「今からペア活動するから各自、誰でもいいので男女ペアを作って下さ〜い」



長太郎と組もうっと♪


………ダメだ
今日はヤキモチを妬かせるんだった……。


私は1番近くにいた日吉を誘った。



『日吉、一緒にやろ?』
「?……いいのか?」
『え、なんで?』
「鳳がすごい見てるぞ。」
『う゛…い、いいの』



私だって本当は長太郎と一緒にやりたいよーー。

でも、今日は我慢なの…。



「ならいいが。なんでまたそんな珍しいことを…」
『それは……』



日吉にも作戦のこと言っといた方が楽かな。




「それやる必要あるか?」
『宍戸先輩にも言われた』



なんでそれはみんな同じコメントをするのよ?



「お前ら別に問題ないだろ」
『問題はないけど…不安なんだもん…。』
「まぁ分からんでもないけどな。」
『でしょー??』
「こら、日吉くんのペア静かにしなさーい」
『はぁい…』



"お前のせいだ"って日吉に目で訴えられた。



長太郎の方を見るとこっちのことなんて
気にもしないで、ペア活動をしていた。



……作戦 失敗か…な。




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