天邪鬼と悪魔の話





ななと話して以来
赤也はマネージャーといきなり仲良くなった。

それだけでなくよく友達と
話しているところも見かけるようになった。


よかった、よかった。









はずなのに…。

その反面、
なんか面白くないな、と思う自分もいる。



ななに言ったら"ヤキモチ"だって。


…そんなわけない。
別に恋愛感情があるわけじゃないんだから。

最近 赤也と話しにくくなってきた。
変に緊張する。

僕はなんか変だ。
なんだか僕じゃないみたいで嫌だ。
もう近寄らないようにしてみようか。


…そうしよう。


みんなが赤也とよく話すなら、僕は話さない。
もともと僕はそういう性格だったはずじゃないか。


























それからは赤也をあからさまに避けるようになった。


不自然。


廊下であっても、部活であっても、
あの芝生にいても、
話しかけられそうになっても………。


もう一ヶ月くらいまともに話してない。




人と違うことをするのはこんなに辛かったっけ?


……違うな。



自分の気持ちと違うことをするのが辛いんだ。

…これが、恋愛感情ってことなのかな。

ヤキモチなのかな。

人を好きになるっていうことなのかな。




でも今更どうしたらいい?
散々避けてきたんだ。

もう嫌われたでしょ。もう遅い。

…やっぱりななの言う通りだったな。

なんであの時"好き"って
認められなかったんだろう。






ちょっと後悔……。









心情が変わっても、毎日は変わらない。


また今日もクラブ。






部室で仕事していたら、赤也が入ってきた。


「……name。」
『……〜っ』



話しかけないで…。
僕はもう嫌われたんだから。



「おいっ聞けよ!」


思い切り腕を掴まれた。


「さわんないで!!」



赤也を見ると驚いた顔をして、手を離した。


……あ。傷つけた。
何やってんだ僕は…。



部室を飛び出した。

もう逃げてしまいたい。消えてしまいたいっ。









芝生のとこまで来て振り向くと、



「っはぁっはぁっ、おまっ速…すぎ…。name…」
『赤也…』
「なんで…俺のこと避け…」
『し、しょうがないでしょ?!!』
「?」
『最初は誰も行かなかったからっ。人と同じは嫌だったからっ呼びにいっただけなのにっ!』
「……」
『そしたらすぐに誰とも仲良くなっちゃって……だから僕はもう一緒にいなくていいって思ってたのに…』
「…name」

『でも離れたくなくなっちゃったのっ…もうどうしたらいいか全然わからないよ…』
「………」
『全部、全部 赤也のせいだからな…責任とれ、バカ』



「………プッ」
『なっ?!』




笑いやがったな?!



「なんだ、俺嫌われたのかと思ってた…」



逆じゃん、と言って赤也は
今まで見たことないくらい優しく笑った。
そして赤也は私のおでこに軽くキスを落としてから、




「責任とってやるよ、一生」




って呟いた。

























◇◆おまけ


「そういえば、nameってさあ何組?いつ探しても見つからねぇけど…」
『僕、3年なんだけど…』
「はあ?!」
『まさか今まで同学年だと思ってたのか?!』
「違うのかよ?!てか先輩じゃねぇか!!」
『そうだよ!今更?!』







∵あとがき
 っていうか立海メンバー全然出てない…
 マネージャーにスポットあてすぎたι

 あまのじゃくっていうか
 ただの意地っ張りな気がしますね。

 執筆 2012.02.04
 修正 2014.03.16




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