天邪鬼と悪魔の話
それからというもの、赤也がサボる度に
僕が連れて来ないといけなくなってしまった。
というか赤也は頻繁にサボるようになった。
『またサボりですか〜?』
「お、name!」
『お、じゃないよっ。僕の仕事を増やすな…』
「毎日、毎日悪いな♪」
謝罪が軽い……。
でも最近赤也と
よく接するようになって気づいた。
赤也って別に怖くない。
むしろ少し寂しがり屋なかわいい奴だと思う。
いつもサボってここでねっころがっていたのは
誰かに見つけて欲しかっただけじゃないのかな。
声かけて欲しかっただけじゃないのかな。
あくまで僕の予想だけど。
『赤也は僕以外のマネージャーとももっと接するべきだと思う。』
「は?なんで?」
『赤也は誤解されてる。』
「そんなの知らねぇよ。だいたい避けてるのはあっちだろうが。」
少し悲しそうな顔をする。
『それはいつも赤也が不機嫌な顔してるから…』
「別にっ。」
『そんなんじゃいつまでも友達できないぞ。』
「あんなやつらと友達なんかになりたくないね。」
『あんなやつら?』
「勝手な誤解してんだろ。」
『あっちが誤解してるように赤也もマネージャーのことを誤解してる。』
「?」
『少なくとも僕からするとマネージャーはいい人ばかりだ。』
「知らねぇよ。」
『僕は赤也が笑ってるのわりと好きだよ。だからみんなにも分かってほしいし仲良くなってほしい。』
「……」
『というのが僕の意見なんだけど。』
伝わったかなぁ?分かってほしいな…。
だってさ、僕が卒業して、
丸井君たちも卒業してしまえば、
また赤也は一人になってしまう。
「……わーったよ。気をつける。」
『そ?よかった!』
なかなか物分かりがいい。
とは言ったものの、
いきなり友達ザクザクとはいかないよね…。
……そうだ、ななに協力してもらおう。
ななというのは僕の親友のことだ。
ななは偏見とか全然ないし、
今思えば僕の友達が増えたのもななのおかげだった。
◇◆次の日。
「は…?」
またまたサボっている赤也のところにいつも通り迎えに行った。
ななと一緒に。
『僕の親友のなな。』
「どうも。」
「……?」
『すぐにみんなと仲良く…なんて無理でしょ?だから今日は一人め。マネージャー友達第一号』
「……あぁ」
『僕の大切な親友だ。何かしたら許さん。』
「何もしねぇよ!」
『ならいい。じゃあね。』
そういってななと赤也を置いて、クラブに戻った。
「……」
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