天邪鬼と悪魔の話






人と同じことをするのが嫌い。


みんながYesと言ったらNoと言いたくなるし、
みんながしないようなことを挑戦したくなる。


みんなが助けるなら放っておくけど
みんなが放っておくなら私が助ける。



変わってるね、って言われたら少し嬉しい。



俗に言うあまのじゃく…?
簡単にいうと僕はそんな性格です。





僕は立海のテニス部のマネージャー。
親友が"人気があるから"という理由で誘ってきた。

ちょっと不服だった。だって

人気がある=みんながなりたい、

ってことでしょ?…ならやりたくない。



でも僕の中で親友の言うことは絶対。

なぜなら親友の言う通りにして失敗したことがないから。
逆はあるけど……。

そんなこんなでマネージャー生活が始まった。









「何をやっとるんだ、アイツは!たるどんるっ!」
「プリっ」
「赤也が遅れる確率97%…否、100%だ。」
「練習量を増やせばいいだろぃ。ジャッカルの」
「オレかよ!」



最初は嫌で仕方なかったが今はそれなりに楽しんでる。



「マネージャーの誰か赤也探してきてくれ!」



まず、誰も行かないというか行きたがらない。




赤也がクラブに遅刻する時はだいたい機嫌が悪いときだ。
機嫌の悪い赤也ほど怖いものは立海にない。



だから誰も行かない。




『じゃあ僕が行くよ。』



僕の悪いところだ。みんなが行きたがらないと行くと言ってしまう。
正直、怖い。


でもここで行かなかったらみんなと"同じ"。
なんかそれが気に入らない。



「name助かる〜!」
「ありがとう。」
『いいよ!』



うん、感謝されると悪い気はしないな。




























◇◆



問題児 切原赤也 中庭で発見。


芝生の上で一人、ねっころがっていた。



『切原赤也。クラブをサボるな。』
「あぁ?」



おぉ……怖…

でもここで負けたらみんなと"同じ"!!



『クラブをサボるなって言ってんだ。』
「お前に関係ねぇ。」
『関係ある。』
「ねぇよ!」
『マネージャーだからある!』
「ふざけんなっ」



あぁもう………怖い逃げたい帰りたい。


『そ、そんなに嫌ならクラブ辞めたら?そしたら僕とも関係なくなる。』
「……お前、」
『……何?』
「俺が怖くねぇの?」


怖いです、かなり。
できれば今日から最低でも一ヶ月は関わりたくない。



『怖くない、全く。』
「ふー…ん。」



嘘です、ごめんなさい。
怒らないで下さい。


そう思ってたのに赤也の行動は
予想と全然違うものだった。





「お前なんか面白ぇな。しょうがないからクラブ行ってやるよ。」


ニコッと笑った。



『……はあ』













赤也とクラブに戻るとマネージャー一同驚いていた。


「どうやって連れてきた?!」
『は?普通に…』
「すごいな!私なんて関わりたくもないのに」



いや、僕も関わりたくない。

あれ…?これじゃみんなと同じだ…。




『そうかな?別にそうは思わないけど…。』



あぁ何言ってんだ、僕。



「そうなの!?じゃこれから切原のことはnameに頼むわねっ♪」
『え…』
「みんな無理だからさ」


みんな無理……


『分かった!』
「name、ありがと〜」




う、最悪だ………。
怖いんですけど。




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