居残り彼氏
今日も授業が終わると
大好きな若に会うためにテニス部へ直行。
『わっかし〜!!明日暇ですか〜??』
跡部Love軍団を押し抜けて大声で叫ぶ。
「お、name。今日も元気やなぁ…。」
「若?俺様の間違いじゃねぇのか、ア〜ン?」
『自意識過剰先輩と変態眼鏡先輩キモい』
「「なっ?!!」」
跡部や忍足がモテる意味が
私には全く分からない。
若以外はみんな興味ない。
私の中で
跡部→ナルシスト
忍足→変態眼鏡
チョタ→弱虫
宍戸→イキリ
ジローちゃん→ジィさん(よく寝るから)って感じ。
岳人先輩と樺地は割と好き。
あの中では普通な方だから。
若は大好き〜。
『あれ?若は?』
「日吉なら今日居残りだから来ないぜっ」
ほらね。岳人先輩は普通に返してくれる。
変態眼鏡とかだったらカラミが面倒くさい。
『そうなの?じゃあ教室に行こう♪ありがとね、岳人先輩。』
「おぅ。」
「アイツなんで俺らにだけあんな冷たいんだ??」
「謎やわ……。」
教室に行くと若が一人で勉強してた。
『わかしー』
「……?nameなんでこんなとこにいるんだ?マネージャーの仕事は?」
『若の方が大事!』
「……」
好きにしろ、って呟いてから若はまた勉強し始めた。
『なんで居残りなのー?』
若が居残りなんて珍しい。
岳人先輩はよくあるけど。
「…授業中に寝た…から。」
『え?!若が…?』
「……。」
『不眠症?!』
「いや睡眠時間が足りなかっただけだ。」
『なんでよ?夜に何、頑張ってたの…はっ!まさか……』
「ふざけんな。壁打ちしてたんだよ。」
『まだ何も言ってないけど』
「……」
そんな話をしていると
窓からナルシストの大きな声が聞こえてきた。
「name1#!!さっさと帰ってきて仕事しろー!!」
『……』
無視無視、聞こえない。
「……部長が呼んでるぞ」
『…チッ』
バレたか……。←当たり前
「あ?」
『あ〜ぁ…せっかく若とのLovetimeだったのに〜』
「いや、違うから。」
『行きたくないよ〜』
あんな地獄コートになんか行きたくない…。
うざい、面倒くさい、キモいのオンパレード。
若がいなかったらマネージャーなんて絶対にしない。
「……はぁ」
『私は若と、一緒にい…っ…………?!』
……えっーと、…。
…何が起こった?
率直に言います。
キスされました。
『///〇*#%▼×?!』
「さっさと行ってこいよ。…それで仕事が終わったら………戻ってこい。」
『%#▼*&●?!』
「待ってる。」
『う、あ、はい…///』
急いで教室を出た。
なんだ今のは??!若だよね?!
嬉しすぎる…
幸せすぎる…
嬉しすぎる…
死にそうだ……
「おいっ遅いじゃねぇか!」
『はぁ…ガッカリ。』
「あ?」
『せっかく幸せだったのに…ナルシスト見ると一気にテンション下がるわー』
「お前はよっぽどキツい仕事がしたいようだな。」
『で、何仕事って?さっさとしてよ早く若のとこ戻りたいの』
「…お前っマジで仕事増やすぞ?!」
『は?ふざけんな。』
「……イラッ」
あーもう、面倒くさい。ナルシストウザい。
「おーname帰ってきてたのか。日吉いたか?」
『あ、岳人先輩!いましたよ!』
「なんかあったのか?楽しそうだぜ?」
『あ、分かりますー?教室で若にキスしてもらったの♪』
「マジかよ?!アイツなかなかやるな…。よかったな!!」
『へへ、はい!』
やっぱ岳人先輩は普通に話せて素敵。
「なんか無性に腹がたつんだけど気のせいか、忍足。」
「いや分かるで、跡部。」
『…(ギロ』
「「…」」
そんな会話をしていると
校舎から若が歩いてくるのが見えた。
『あ、若だ!』
「すみません、遅れて。」
『ちょっと〜 待っててくれるんじゃなかったの?』
「勉強、終わったんだよ…」
『も〜。』
「あーん?日吉 お前、外周30周してこい。」
はあ?!そんなにしたら今日一緒に帰れないじゃん!
「…はい。」
あ〜ぁ後で教室行こうと思ってたのにぃ……
すると若が私にコソッと小声で囁いてきた。
「悪いな…待ちきれなかった。」
『?!///』
そして日吉は外周しに行った。
『………もーカッコいいなぁ。』
はぁ……やっぱ幸せ。
「なんか腹立つわー」
「分かるぞ、忍足。」
全部聞こえてた、跡部と忍足。
引退するまで、その腹立ちが消えることはなさそうです。
∵あとがき
いやぁ〜…日吉をカッコよくしようとしたら
跡部と忍足がかわいそうになってしまった。
まあいっつもチヤホヤされてるんだから
今回ぐらいいっか〜( ̄∀ ̄)
執筆 2012.01.29
修正 2014.03.14
[←prev]