だれのこえ?






「お前昨日ジャージの洗濯して来なかっただろ!」
『うっさいわねぇ。昨日はそれどころじゃなかったじゃないのっ!』
「関係ねぇよ!」



また、言い合いですか…。毎日毎日懲りませんね。
ま、私も人のことばっかり言えませんけど。



「お取り込み中すみませんが…」
『取り込んでないわっ』
「……」
「…なんだ?日吉。」
「昨日のことですけど、ちょっと納得いかなかたので…」
『何が?』
「地下室です。」
「地下室がどうかしたC?」
「普通に考えて幼稚園に地下室なんてあるわけないじゃないですか」



おやおやおや。



「まぁそうやけど…実際あってんから」
「だから今日の朝、登校前に見てきました。」



ほう……一人でですか。なかなか行動力ありますね。



『マジで?!日吉、アンタすごいなっ!!』
「俺なんてこれから半年はあそこに近づかないようにしようと思ってたのに…」
「お前、ちょいダサだな。」
『ちょい…?』
「どうせ自分も近づかんとこうと思ってたんやろ…」
「…」


皆さん、日吉くんの話も聞いてあげてくださいよ。

ここからが面白くなってくるんですから。



「で、どうだったんだ〜?」























「ありませんでしたよ。」




















『「……え?」』





…………。




『なかった…の…?』
「ど、どうせ、嘘だろ?!」
「そう言われると思ってちゃんとビデオ撮ってきました。」



準備いいですね。

まああんまりオススメしませんが。



『……;』
「はい、これ。」


彼の撮ってきたビデオをみんなで見るようです。




「『…………。』」







「本間にあらへんやん…」
「なんか笑えませんね。」
「…………。」
「行方不明になった人は地下室に入ってしまったんじゃないですか?…多分」
『……なるほど』
「じゃあ俺ら入らなくてよかったC〜…」
「だな。」
「八ッ、昨日は誰かは入ろうとしてたじゃねーの。」
「誰だよ、入ろうとか言った奴。」
『ほんとだよっ!!誰?!』



みなさん周りを見渡し始めました。



「俺は言うてへんで…」
「俺も言ってませんよ。」
「A〜俺も言ってないC」
「樺地も言ってねぇよな?」
「…ウス。」


おやおや…。犯人探しですか?



『まさか宍戸…?!』
「は?!」
「それはないですよ、宍戸さんが一番ビビってましたし」
「なっ///!!」
「ちなみに俺も言ってません。」
『……だよね。』
『「…………。」』









「いやいや、そんなわけないだろ。誰だよ、言ったの……」





………クス。










『……あのさ、ちょっと言いにくいんだけど、』
「なんだよっ。nameかよ言ったの!」
『そうじゃなくて…』
「何?」
『昨日はあそこで言うの怖かったからさ、黙ってたんだけど、』
「?」
『地下に入ろうって言った声ってさ』


「「…………。」」


























『……岳人じゃなかった?』



























「んなわけないだろっ!!まず、アイツ来てねぇよ」
『…そうなんだけど』
「でもそう言われれば、たしかになんかそうやった気もすんなぁ…」
「たしかに…俺もname先輩と同意見です…。」
「……。」
「日吉、お前ビデオ撮ってたよな…?」
「はい…。」
「…みようぜ。」





また皆さん、ビデオ鑑賞。





==========



〈幼稚園に地下ってあるものなのか…?〉

《そんなのないよ〜ι》

〈じゃあアレなんだよ。〉

〈地下室だC〜……〉

〈行ってみようぜ!〉

〈俺はイヤやで…〉







==========





「……岳人だな。」
「なんで岳人なんや?」
「アイツ俺らのことからかってたんじゃねぇの?!」
「たしかに言い出しっぺにも関わらず来ませんでしたし…」
「どっかにかくれてたとか?」
「………はめられたな。」
「マジかよ…」
『悔しーーーっ』



かわいらしい解釈ですね。

根本的なところから騙されていることに気づいていない。


「でも、それは、岳人だったで終わったとしても、やっぱり地下室のことは不可解ですよね」
『もうやめよう!地下室は!世の中知らなくていいこともある!』
「……。」



本当に平和な人たちですよ。

でももうそろそろ
イヤでも気づいてしまいますね。




バタンっ!



勢いよく部室の扉を開けたのは、


「悪い!!遅れちまった今日居残りでよぉ…」


クラブに遅れて、噂の岳人くんが来ましたよ。




「岳人、貴様ぁ〜」
「悪かったって!!でも勉強してたんだからしょうがねぇだろ!」
『遅刻のことじゃないわよっ!!』
「昨日のことです。」
「は?昨日?俺、昨日何かしたか??」
「しただろっ!!9:30過ぎても幼稚園に来ねぇし、俺らを地下いきにしようとしやがって!」
「は?なんだよ、それ?」
「とぼけんな。言い出しっぺだろが。」
「……?全っ然、意味分かんねぇんだけど」
『いい加減にしなさいよ!』


おぉおぉ、怖いですねぇ。みんなに責められて、
お気の毒です、岳人くん。何も悪くないのに。



「てかなんでそんな夜中に幼稚園行くんだよ?」
『はぁ?!』
「しかも地下ってなんだよ?」
「往生際悪いで、岳人…」

「だいたい昨日とか俺、学校休んでただろ!」











『「…………は?」』
「休んでたからさっきまで居残りで昨日の分のノートとってたんだよ!!」
『うそ………』
「え…じゃあ、」
























































「「昨日のアレ誰だよ…。」」





























































マネージャーさん、どうですか?
暇つぶしにはなったでしょうか?


え?私が誰かって…?




フフフ…
それは貴方の想像にお任せします。



ではまたの機会に……。





「で、結局なんだったんよ」
「聞かん方がえぇ…」
「もう俺は思い出したくもない」
『…たしかに』
「ぶっちゃけもう お前の声も聞きたくねぇな」
「はぁ?!なんでだよ!!」
「そういえばname先輩、こんな話知ってますか…?この近くの病院の…」
『いやあぁぁあっ!!!』
「俺、帰る。」
「………俺も、もう聞きたないわ。」
「……右に同じ、帰ります。」
「はあ!?意味分かんねぇ!てかおい!お前ら部活は?!」




∵あとがき
 初☆怖夢
 岳人は最後責められるだけ責められた、
 ただのかわいそうな子になってしまった。

 なんかあんまり怖くなくてすみません…

 執筆 2012.1.28
 修正 2014.03.14




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