王様ゲームでもしょうか







樺地が部室の隅から持ってきたのは、


『テレビ…?』
「まぁ見てろ。」


跡部がリモコンを操作した。

テレビに映し出された動画を見て、チョタが一言。




「…これ氷帝の校舎の中ですね。」
『えぇ?あ、ほんとだ!』


間違いなく氷帝の校舎。


「あれ、ジローとちゃうか?」


向こうから歩いてくるのはジローちゃんと岳人。


『あはっ!ちゃんと手繋いでるじゃん!』
「めっちゃ周りに見られとるけどな」
「激ダサだぜ。」
「向日さん顔真っ赤ですねずっと下向いてますし。」


そりゃ恥ずかしいでしょ…。

するといきなり宍戸がガタッと立った。


『え?』
「俺ちょっとトイレ…」
「あ、じゃあ俺も。」


そう言って、チョタと宍戸が部室から出ていった。
は?逃げた?
…あ、いや、そっか。二人はもう命令終わったのか。



「なんだかんだ言うて岳人とジローちゃんとやんねんなぁ」
「真面目な奴らだぜつまんねぇ次行くぞ。」


お前っやらせといてよく言うな?!


「CとEは外周50周だ。」
「…ウス。」
「はぁ……。」



かわいそー…。当たらなくて良かった。



「で、最期@とBはキスだ。」


















………え?




@って変態めがねじゃない?

はあぁぁああぁあ??!




『絶対、イヤですけど?!』
「王様の命令は絶対だ。」
『う゛…いや、でも…』
「ごちゃごちゃ言うな。早く終わらせろよ。」


そう言い残して、
跡部は部室から出ていった。


ジローちゃん→校舎巡り
がっくん→校舎巡り
樺地→外周
日吉→外周
チョタ→トイレ
宍戸ン→トイレ
跡部→今出ていった

=変態めがねと二人っきり☆




二人っきり☆じゃねええぇ!
ふざけんなよっ?!なんでこうなった?!


「しゃーないやっちゃなぁ」
『しゃーないじゃないよ!私ファーストが変態とか絶対イヤだからね?!』
「…ひどない?ていうかキスしたことないんかいな…。」
『う、うるさいなっ////』


もう最悪、最悪…。何この展開?!
跡部のバカーーーっ!!!アイツめ〜〜

今度差し入れにガンガン振った炭酸水渡してやるからなぁっ!



「name……」

変態が私の顔を手で覆った。


『なっ?!』


顔がだんだん近付いてくる。


「じっとしていてや…」



最悪…。ありえない。死ぬ、死んでしまう。
人生終わり、さようなら。








ちゅっ




『……へ?』


私の頬に軽くキスをした。


「アイツどこに、とまでは言うてへんかったからなぁ」
『……///』


た、たしかに……。残念。


……いやいやいや?!私何考えてるの?!

残念じゃないよっ!安心でしょっ!




「なんや?口にしてほしかったんか?」
『ななな何言ってるの?!そんなわけないでしょっ』
「そりゃ残念…」
『バっバカじゃないの?!』



意味が分からん。何言ってんの。
ていうか今更だけどなんで跡部出ていったの?!



『…ってかさチョタとか遅くない?!私、見てくる!』


チョタなんて口実。部室から早く出たい!


なんか恥ずかしい。
なんでこんな奴にドキドキしなきゃいけないの?!

私は急いで部室から飛び出した。







「かわえぇなぁname……ま、えぇわ。今は、な。」










◇◆おまけ



「"nameとゆうしくっつけよう作戦"バッチリだなっ跡部!」
「当たり前じゃねーの」
「長太郎の出ていき方は不自然だったけどな」
「………」
「nameちゃんたち今、どうなってるかな??すっげぇ気になるC〜」
「見るか…あーん?」
「え?」
「跡部まさか…」
「部室にまでカメラを?!」
「…?当たり前だろが。樺地、持ってこい!」
「…ウス。」
「のぞき見なんて悪趣味ですね。」
「日吉はみなくてもかまわねぇぞ?」
「いえ、見ます。」

ポチっ

[なんや?口にしてほしかったんか?]
[ななな何言ってるの?!そんなわけないでしょっ]
[そりゃ残念…]
[バっバカじゃないの?!]


「みてるこっちが恥ずかしくなるぜ…」


[…ってかさチョタとか遅くない?!私、見てくる!]


「…逃げたな。」
「逃げましたね。」
「あぁ、逃げた。」
「逃げられるなんて情けないですね。」
「面白くないC〜」
「だな。帰るぞ、樺地。」
「…ウス。」



「ちぇっクソクソ!みんな帰っちまったじゃねぇかよ…。つまんね、俺も帰ろ。」


[はぁ……………。跡部ものぞき見なんて悪いやっちゃなあ。]


「………?」


[まる見えやっちゅーねん。]


「…… まる見え…?今コイツ、カメラ目線じゃなかったか……?」


…………………。


「まさか、な?」







∵あとがき
 忍足オチでした。

 執筆 2012.01.22
 修正 2014.03.10




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