参謀のデータを狂わすのは私だけ




『別れよう、連二。』
「……っ?!」


連二はすごく驚いた顔をしていた。
こんな顔初めて見たかもしれない。
……そりゃそうだよね。



『急にごめんね………じゃあバイバイっ』
「おい!ちょっと…」


連二の話なんて聞かずに私はその場をすぐに離れた。

ごめんなさい。
絶対に傷つけたよね…。

でももうこうするしかないんだ。












◇◆





2日前………


「ちょっと来てくれる?」




でた…。テニス部の親衛隊。

面倒くさいな………

どうせまた、別れろとか調子のんなとかでしょ。
でも私、そんなの聞かないから。

そんなことを考えながら、親衛隊の後をついて屋上までいった。


「あなた、柳くんの彼女なんでしょ?」
『…そうですけど』
「率直に言うわ、別れてほしいの。」

面倒くさい…お腹すいた…帰りたい…


「立海大付属はね、今年の三連覇に力をいれてるのよ!」


テニスの全国大会のことだ。
立海大付属が今年の試合に優勝すると三連覇になる。

そんなこと私、
マネージャーだから知ってますけどね。


「その三連覇に柳くんがとても重要な人材だってことくらい分かってるわよね?」
『はぁ…まあ…。』


たしかにその通りですけど。


「それなのにあなたみたいな彼女がいたら、柳くんがテニスに集中できないでしょ?!」
『……。』
「休み時間も部活のあとも休みの日も柳くんはあなたに会いに行って…。体がもたなくなるし、ちゃんとテニスに集中できなくなるでしょ?!」
『……っ』
「…ま、よく考えることね」


そういって親衛隊は屋上から出て行った。



言い返せなかった……


あの人は私と蓮二を別れさせたいだけだ。
そのために正論並べて私を追い込んでるだけ。
そんなこと分かっているけど…。

でも、あの人が言っていることはすべてまとを得ている。
まったく間違っていない。だから言い返せなかった。

このまま別れたらあの人の思うつぼだ。


でも……私立海三連覇の邪魔になってる気がする。
蓮二の邪魔になってる。


離れなきゃ…。蓮二から離れなきゃ…。


マネージャーなんだから。
自分のことなんかよりもテニス部のことを優先しないといけない。





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