その名も真田”鈍”一郎
◇◆TAKE3◆◇
ある、英語の時間。
こ…ここまで鈍いとは予想外だ。
恐るべし真田。
もうストレートにいくか。
『真田、ちょっとノート貸してくれない?』
「いいぞ。」
真田は自分のノートを私の机に置いた。
よし書くよ!書いちゃうよ!
今ちょうど英語は現在完了形を習っているところだしわかるはず!
『真田…これ見て!』
そういって私は真田のノートの、今私が書いた文を指さした。
"I have loved you since I was freshman"
-私は一年の時からあなたのことが好きです。-
「…………。」
真田はその文をじっと見て固まっている。
『……分かった?』
「…いや、わからない。先生に意味をきこう。」
『きゃーーー!!絶対、ダメ!!』
何言ってんだー!お前は!
なんで先生にラブレターを晒さないといけないんだよ、アホか!
「??なぜなのだ?」
『もういいっ!忘れて!』
「??」
真田は不思議そうな顔をして前を向いた。
………ダメだこりゃ
◇◆
さようなら、私の初恋…。
もう無理ですわ。
全力つくしきった。
これでもかっってくらい頑張った。
それでも分からないのは真田が鈍いとか
そんなこと以前に、
まず真田が私に全く興味がないからなんじゃないのかな。
そうなんだろうな、きっと…
なんだったんだろう
私のあの頑張りたちは…。
相手にされないと分かっているのに
アタックし続けるほど私は強くはないわけで。
疲れてしまった。
当分、真田と関わらないようにしよう。
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