その名も真田”鈍”一郎





ひとつ前に座る私の好きな人。

今日こそは友達という関係を脱出するんだっ!



……なんて毎日思い続けてて、はや2年。

テニス部のマネージャーですから、1年中一緒にいるのに…。
初詣、バレンタイン、宿泊学習、夏休み、祭り、クリスマス……
告白するタイミングなんていくらでもあっただろうに…


……と思うでしょ?!それが無理なんですよ!



私だってねー根性ナシじゃないのよ?
何度も言おうとしました!
でもアイツ、真田弦一郎には全く通じません!
その惨敗の数々を今からご紹介します。




◇◆TAKE1◆◇


部活が終わり、真田が帰ろうとしている時。


『真田っ』
「お、nameか、まだ帰ってなかったのか?」
『うん、真田と一緒に帰りたくて♪』
「そうか。」


お…おい、おい……そうか。ってなんだよ。
今好きフラグたったでしょ?!

ま、まあこんなことでへこたれてはいけなっ。
真田が鈍いことはわかっているんだから。


『これからもずっと真田と帰りたいなー!』
「…それは嬉しいが難しいな。練習が長引いて遅くなってしまえばすぐ暗くなるからな。」


ふ、普通に返してくんなよ…
予想以上に鈍い…
よしっもう最終手段!!

私は真田の手を握った。


『寒いねっ』
「?!」


これならいくら真田でもなにか思うでしょ!



「寒いならもう少しスカートをおろしたらどうだ。短すぎるぞ。」
『…………。』



ダメだこりゃ。





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