好きなタイプ変わってないよ



昼休み岳人はいっつも屋上にいるんだ。
毎日教室から見てたから…知ってるの。

ガチャッ



『(よぉし頑張れ私)』
「おっnameじゃん!」
『あっ!えっ?!』


あら、早く来過ぎた…。予定では私が
寝っころがっている岳人を起こすはずだったのに
岳人が後ろから入ってきちゃった。


「何やってんだ?お前いっつもこの時間教室にいんのに」
『ちょ…ちょっと気分転換っさっきの授業の数学で頭 破裂しそうだったから!』
「ふーん…そっか数学面倒だもんな!」
『うん。…ってあれ?なんで私がいつも教室にいるって知ってるの?』


昼休みに岳人と教室で会ったことないのにな。


「え?!あ?それはっ///」
『?』
「いや、なんか…ほらお前って教室にいるって感じじゃん?!」
『へぇ、そうかな?』
「そう、そう」


私そんなにインドアに見えるかな?
そうなんだ。
私のこと見てくれてたのかなってちょっと期待したのに…


いや、今は私のイメージはどうでもいい。
一世一代の告白をしに来たんだから!



『ねぇ』
「?」
『岳人は好きな人いるの?』
「?!///」
『いないのー?』
「……いるけど」
『え?!誰??』



やっぱり…好きな人いたんだ…。



「は?!言わねぇよっ!」
『なんでー?じゃ、じゃあどんな子?』
「え…///なんか、かわいくて……」



かわいい、か。私の可能性はなくなったな。
ほら、やっぱタイプ変わってないじゃない…。



「優しくて、うんいい奴だ///」


今まで見たことないくらいすごくすごく優しい顔で
その子のこと褒める姿を見て、分かっってしまった。

その子ことがすごく好きなんだってこと。
すごく大切なんだってこと。
私なんかがどんなに頑張っても無駄だってこと。



『そっか……。』
「お前は?いねぇのか?」


予定通りの返事。
さっきまではあんなに望んでいた台詞だったのに
今は嬉しくない。聞いてほしくなかった。

それだけは



『………』
「name?」
『…い…ないっ…よ?』
「お、おい?どうしたんだよ?」



ちょっとヤバいな。
これ以上何か話したら、涙止まんなくなりそうだ。
早くここから離れよう。



『何もないっ…じゃ…バイバ…イっ』
「あ、おい!」


走って屋上から出ていこうとする私の腕を岳人が引っ張った。



「ちょっ待てよ…」
『…は…離して…っ』


引き止めるな、バカ。
泣いてる顔なんて絶対にみられたくない。

私のかわいくない顔がもっとかわいくなくなるから。



「嫌だっ。離さねぇ!もう言う!今言う!」
『……っ?』
「もう今の出バレてるかもしれねぇけどさ、俺は……お前が好きだ…」
『?!!!う、嘘だっ!』
「は?嘘じゃねぇよっ」
『嘘、嘘、嘘、うそっ!』
「本当だっ!」


嘘だ。嘘に決まってる。
だって………


『だって岳人さっきかわいくて優しい子って言ったじゃん!』
「あ?」
『私優しくないもんっ身長だって岳人より高くて、全然かわいい女の子になれないんだもんっうわぁーん』


あぁもう最悪だ。
泣いちゃうし、岳人は絶対ひいてるし。
自分で自分のダメなとこ思いきり暴露っちゃうし…
でも岳人が悪いんだもん!引き留めるから!


「………バカか、お前は。」
『バカだもんっ』
「…っ…くそくそっ///ヤバいぜ…かわいすぎ…」


は…
かわいい?この醜態が?


「…nameは優しいし、すげぇかわいい。」
『う……ひっく…』


岳人は私をギュッと抱きしめてくれた。



「それに身長なんてすぐ追い抜かしてやる!」
『……』
「だから俺とつき合って下さい」
『…うん』


抱きしめた力はとっても強くて、
やっぱり男の子なんだなぁと思った。
これなら、きっと身長もすぐ抜かしてくれるんだろうな。
なんて思ってみたり。



「くそくそっお前は鈍すぎなんだよ!」
『どこがよ!岳人が悪いんだからねっ』
「は?なんで」
『背が小さくてかわいい子が好きって言ってたじゃない!』
「お前こそカッコイイ奴が好きだって言ってたじゃねーか」
『岳人カッコイイだから何も間違ってないじゃん!』
「なっ?!//」
『……? え?何…?』


急に頭をわしゃわしゃされて意味が分からなかったけど、
それさえもカッコよく見えてしまう。

よくよく考えてみたらあの時私は岳人のこと考えて話してたから、
私のタイプは岳人ってことなんだから、
やっぱり昔とタイプは変わっていないみたいです。






∵あとがき
 親友ちゃんは二人が両想いだったってこと
 知ってたと思います(^O^)/

 だからヒロインの相談は
 きっと、ノロケにしか聞こえなかったんでしょうね
 そんな親友ちゃんのことを
 ちょこちょこ考えながら書いてました←

 執筆 2011.12.29
 修正 2014.03.10



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