好きなタイプ変わってないよ





「ねー、nameちゃんはどんな子が好きなの?」
『タイプ?』
「うん。」
『nameはねー、nameより背が高くてカッコイイ人が好き。』
「へぇ」
『がっくんは?』
「僕?僕は、僕より背が小さくてかわいい人がいいな!」
『そっかぁ』

そんな会話をしながら手を繋いで家に帰った。












◇◆






『ね、分かる?!私は岳人のタイプに全くあてはまってないの!』
「いつの話してんのよ…」


今、私は親友に恋の相談をしてるわけなんだけどね。
これがもう驚くほどに望みが薄々なんだよー。

だって私見た目も中身もさして、かわいくないし
身長だって2cmだけだけど私の方が高いんだもん!

小学生低学年の時は私の方が小さかったのに…

…今上で申しましたとおり私は小学生低学年の時から
いや、もっと前の、幼稚園の頃から岳人に片思いなんです。


小さな時は仲良しで何をするのも一緒にだったのに。
大きくなるにつれてどんどん離れて行って、
今では氷帝のレギュラーにまでなっちゃって……

雲の上の人になってしまったというわけですよ。

クラスは幸いにも同じだから、
普通に話しとかはするんだけど。
こうね、なんていうか世界が違うみたいな。
きっと、ただのクラスメイトとしか思われてない。



「だから、それいつの話よって。」
『…幼稚園。』
「はぁ?どんだけ前……」


う…だって今なんて
聞けるわけないじゃなーい!


「そんだけ経てばタイプも変わってるっつーの…」
『えー…でも、小さくてかわいい子って、基本モテるじゃんかー』
「タイプは人それぞれ。」


……そうだけどさぁ。


「とりあえず、アタックあるのみっ。好きアピール頑張ってみな。」
『はぁい…。』


ハァ…好きアピールっていってもなぁ。
簡単に言うけど、具体的に何をすればいいの?


話す?メアド聞く?
いや、メアドはもう持ってる。それに話もしてる…

下校を誘う?あ、クラブあるか。

勉強教えてもらうとか!
ダメだ。私の方が成績、上。
逆に教えるのは?! ……押し付けがましいな。

全然いい案が思いつかない!
何したらいいかわかんないよー。



『ななー!好きアピールって何したらいいのー?!』
「はぁ?!そこから?!」
『だって考えたけどやることないんだもん。』
「…じゃあもう告ればいいんじゃないの。」


無茶苦茶言うなぁっ!
告れるんだったらもうとっくの昔に告っとる!



『無理だよ…』
「頑張れ。」
『ひ、人事だと思って!』
「だってもう言うしかないんじゃないの…?」
『う゛………』


た、たしかに。


「ね?」
『で、でもなんかいきなりは無理じゃん?シュチュエーションとかなんかないかな?!』
「恋話すればいいんじゃない?」
『へ?』
「だーかーらーまず好きな人を聞いて"nameは誰が好き?"って聞かれたときに言えばいいのっ!!」


……な、なるほど

すごい…それなら自然に言えるかもしれない!
完ぺきじゃないですかっ


『ありがとう!私今日頑張ってみるよ!』


親友の手を握ってぶんぶん振った後、
私は岳人に告白するために屋上にいった。


「あ、うん…頑張れ……え?今から?!」






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