生きるよ、あなたがそれを望むなら





周りを歩くカップルは手を繋いだり腕をくんだり。

恥ずかしいけど羨ましいというのがやっぱり本音。
私もしたいなぁ…。

つき合ってるんだし、恋人同士になったわけだし、
手、繋いでも.....

いや、うー…んでも、まだ早いのかな。
この前つき合い始めたばっかりだし。
なにしろ彼氏なんてできたことがないから要領が分からない。


でも、手くらいなら…
いやいや、早まって引かれても困るしなあ。
う゛ーどうしよう


「おい」
『わっ、え!?』
「聞いてんのか?」
『え…ごめん、何?』


岳人がはぁっと深くため息をついた。
どどどうしようっ全然聞いてなかった!


「どこ行きたいんだ?って聞いたんだよ。」
『え…?岳人が決めてたんじゃなかったの??』
「決めてた…けどそれは次でいいや。」


ええ?いや、行こうよ今。なんで変えるんだ?!


「そこはお前の誕生日に連れて行くことにした。」
『えっ?』
「来月だろ?」
『なんで知ってるのさ?!』
「はあ?お前...毎年ケーキ一緒に食ってただろ。それ以前に好きなやつのなんだから当たり前だっつーの。nameも俺の知ってるだろ??」
『9月12日…』
「ほらな」


長年幼馴染をやってたことをすっかりわすれてたよ。
そっか、そんなもんか…。好きな人、だもんね。


…じゃあやっぱり手を繋いじゃってもいい気がする。
よし、繋いじゃえ。

えいっ


『水族館行きたい、かな。』



その言葉と同時に岳人の左手を捕まえた。

わ、我ながら初めてにしては上出来…!


でも適当に考えたこと言ったから、水族館とか言っちゃった…
特別そこに行きたいわけじゃないけど岳人と一緒ならどこでもいいや。


「////」
『え、と。…ダメ?』
「え?!!あっいや、いい!じゃ行こうぜっ」


顔が真っ赤になっている。なんだろ?変なの。
もしかしてさっきの私みたいに何か他のこと考えてたのかな。
そんなこと考えながら顔を見ていたら、
あんまガン見すんな、って言われて、手を握り返された。







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