生徒会室で太子が戻ってくるのを
待っていると廊下からパタパタと
人が歩いてくる音がした。

一人の音ではなかったから
きっと太子ではないし、
妹子と彼女さんの二人にしても
靴音の数が多かった。

『…?』


誰だろう、そう思っていると
生徒会室に3年生の 女子が4、入ってきた。
太子の同級生たちだ。私から見ると先輩。



「あなたいつも太子くんにまとまりついてるでしょ」
「なんかさー、見ててウザいのよね。」
「太子くんも迷惑してるよ」




はあ……?いきなり何?
入ってきて急に言う事なの?

いや、絶対迷惑してないし。

だいたい纏わりついてるのは
どっちかというと太子のほうなんですけど。

なんて言いたい衝動を必死に抑えて黙り込む。


「何か言えよっ!!」


バコッ!!


『?!』


太子は昔からまあまあそれなりにモテる。

だから女の子に嫌な目で見られたり、
呼び出しされたり、恐喝されたりとか、
そういうのには少し慣れてるんだけ ど、
殴られるなんて初めてだった。


『った…』
「ウザいんだよっ」


バコッボコッ


しゃがみ込んだ私に3年生は
容赦なく殴ったり蹴ったりしてきた。

何で私がこんなことに ならなきゃいけないの…










その時、


ガチャ




ドアが開いて入ってきたのは



『妹子………と太子?』
「何やってるんですか?!」



その二人が帰ってきたことで、
私への暴力は止まった。
た、助かった……?


「あ…わ、私たちは…」


彼女たちの必死な弁解は、
太子が壁を思いっきり殴ったので、
そこから続かなかった。


「ふざけんな…… 今度妹に手出したらぶっ殺す。」


大声を出すでもなく、静かにそう言った。
こんなにキレてる太子
今までに見たことない…。


「妹……?」
「名前は私の妹だ! 分かったら出ていけ!」


3年生たちはみんな半泣きで出ていった。
なんか、可哀想だな、なんてつぶやくと、
名前はお人よしすぎる、と小突かれた。






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