生徒会室を開けると、


『妹子、おまたせ……え?』


突然視界が真っ暗になった。
それが太子に手で目隠しされてからだと
気付くには少し時間がかかるくらい驚いた。


『ちょっ太子…?』
「名前、出よう。」
『…は?』


またサボるつもりかっ?!
絶対そうだ!そうはさせないよ。


太子の手を振りほどこうとしたら、
生徒会室から女の人の声が聞こえてきた。



「太子と名前ちゃん?」
『……え?誰?ちょっと太子手離してよっ!』


太子の手をどけると、生徒会室の中で
妹子が女の人に抱きしめられてた。



『……?!』
「やだ、ごめんなさいね。…仕事中悪いけどちょっと妹子借りてもいいかな?」
『…ぇ、ぁ…はい』
「ごめんねー…っ」



そういって妹子とその女の人は
生徒会室から出ていってしまった。









『太子……。』
「せっかく私が目隠ししてやってたのにぃー」


そう言ってぷうっとほっぺたを膨らました。
太子は私に気をつかって笑ってくれてた。
あの太子が気をつかうなんて
よっぽど私は酷い顔をしてるんだろうな。



私も笑おうと思った。

…でもやっぱり無理だった。



『ぅ……っ』
「名前…」
『隠すな…らちゃんと、隠しといてよぉっ…』
「え、ごめん……」



太子は全然悪くない。
妹子に彼女がいるのも当たり前じゃん。
別に期待してた訳でもない。

じゃあ私は何で泣いてんるんだろう?


期待してなかったなんて、うそ。
本当は私、ちょっとは特別な存在なんだと思ってた。



太子は私が泣き止むまで
頭撫でたり背中をさすったり
涙を拭いてくれたりして、
ずっとそばにいてくれた。



「落ち着いた…?」
『…うん、ありがとう』
「私ちょっと教室に忘れ物 取りに行ってくるけど、一人で大丈夫か?」
『うん大丈夫だよ。』


太子が出ていって 私は教室に一人になった。

………あの女の人 かわいかったなぁ…。
彼女いたならいたで、
言って くれればよかったのに…。

いつからなんだろう? 全然知らなかった。

こんなのもう諦めるしかないよ…ね。




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