いつもの騒がしい生徒会室。

ひたすら副会長にツッコミをいれているのは
小さな時から私が片思いをしている相手。



「早く仕事してください」
「そんなに言うなら妹子がやればいいじゃんかー」
「僕にも書記という仕事があるんですよ!」


太子が仕事をなかなかしないため、
妹子だってやることが溜まっていく。
仕方なく、会長の仕事を
妹子がこなすこともあるが、
会長にしかできない仕事だってある。

例えば、書類のサインとか。


「もういやだー私だって遊びたいー」


そんな妹子の苦労も知らずそういって
太子はドアのところに立っていた私を
押しのけ生徒会室から出ていってしまった。



「あっ…ちょっと!太子?!  ………はぁ」



そういってドアの方に目を向けた妹子は
やっと私の存在に気づいた。



「名前!いつから居たんですか?!」
『多分、始めから…かな』


妹子は苦笑いしてからいつものセリフ。



「………じゃあまたお願いします…ι」
『はいはい』


また、というのは太子を連れ戻してくること。

何故か私は太子にとって癒しの存在らしくてι
私の言うことは大抵聞いてくれる。

だからいつしか太子を
連れ戻してくるのは私の役目となっていた。


太子は私を見つけると飛んできて抱き着いてくる。
最初はびっくりしたけど、今じゃもう日常茶飯事。

だから私と太子は学校公認カップルとなりつつある。


私が好きな人は妹子なのに…



太子はいつも通り裏庭で寝っ転がってた。



『太子ー…』
「あっ名前っ♪」



太子は私に気がつくと
バッと起き上がって私に抱き着いた。


『もー…、こういうの学校でしちゃダメだって言ってるでしょーっ』
「いいじゃん♪私たちカップルだろ?」



私は太子の頭にチョップをいれてから一言、



『兄妹だっての』



そう、幼い頃からの知り合いの
妹子にさえ言っていない秘密。

私と太子が腹違いの兄妹だということ。


別に隠すことでもないんだけど、太子が
"あとからカミングアウトしたほうが面白いっ"
っていうから、この15年間隠し続けてきている。

所謂あれだ、いつもの太子の
訳のわからない気まぐれだ。




『特に妹子の前ではやめてほしいのっ』
「なら早く告るでおま。」
『はぁああ?!』


コイツはサラっとこういうことを言う。
女心の分からんやつめ。


『無ー理ーでーすー。もういいからさっさと帰る よ!これ以上妹子を困らせないで!』
「ほーぃ…」


嫌がる太子を無理矢理引っ張って
生徒会室に戻った。



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