村を飛びて出て向日くんの
走っていった方向へ向かった。


「ナマエー…部屋出るなって言われただろぃ?」
『ブン太には言われたくないね!』
「まあ、そーだけどさぁ…」



氷帝村の跡部のベッドで越前は眠っていた。

リョーマは身体の所々を怪我していたけど、
どうやら命に別状はないようだった。


「越前…よかった…。」


そう呟いたのは手塚だった。
昨日はみんなを不安にさせないように
表情は崩さないようしていたみたい。

でも今は心底安心した顔をしていた。
ベッドの横には青学が既に全員集まっていて、
みんな手塚と同じような顔をしていた。


「…ん、」
『リョーマ…!』


リョーマの意識が戻った。


「…あれ、ここどこ…」
「俺様の村だ。」
「跡部…さん、の…。そうだ、俺は昨日…」
 
 
そう言った瞬間、
リョーマは真っ青になった。


「…!竜崎は…っ?!」


この慌てぶりから見て、昨日
桜乃ちゃんと何かあったということがわかった。

そして、リョーマが犯人ではないということも。


「越前…、落ち着いて聞いてほしいんだ。」


手塚が言いにくそうなのを見て、
代わりに不二がリョーマの質問に答えた。


「竜崎さんは、亡くなったよ…。」


リョーマは昨日の私のように凍りついた。
当たり前だ。
だって桜乃ちゃんはリョーマの…。


「……くそッ!」


やるせない怒りが収まらず、
リョーマはベッドを殴りつけた。


「くそくそくそくそ!うあああああああ!」
『リョーマ…っ』


布団に顔を突っ伏して泣くリョーマを見て、
私もまた目頭があつくなった。


私達はリョーマだけでも無事でいてくれて、
本当によかった、と思っていたけれど、
リョーマにしては桜乃ちゃんが死ぬくらいなら
自分も死んだ方がマシだと思っていたのかもしれない。


とりあえず、リョーマを一日休ませるために、
詳しい話し合いは明日にすることになった。



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -