桜乃ちゃんを最後に見たということで、
会議に急きょ、私も参加することになった。


「竜崎を最後に見たのはいつだ?」
『昨日の夕方。赤也と街に出た帰りに見たよ。』
「様子はどうだったんだい?」
『いつも通りだった。野菜を運んでて…。元気だったよ。』
「…そうか。」


近くで血のついた凶器は見つからなかったし、
凶器になりそうなものも見当たらなかった。
しかし致命傷は自殺したと思えないような傷。
首のあたりに獣に噛まれたような傷だった。

だから、最初は何か山から降りてきた動物に
襲われてしまったのではないか、
という意見もあった。
しかし、それならば悲鳴の一つくらい
上がるはずであるし、
それに部屋の中に動物が暴れた痕跡が残るはずだ。

声をあげる前に殺害をでき、
土や泥がの跡がないことから、人による
殺人の可能性が高いということになった。


「一つ気になることがある。」


そう呟いたのは青学村の代表者として
会議に出席している手塚だった。

「何だ?」
「実は昨日の夜から、越前の行方がわからなくなっている。」
『リョーマ…が?』


リョーマといえば、いつも、
桜乃ちゃんか桃城くんと一緒にいる。



「越前が犯人だ…と、いいたいのか、」
「いや、そうではないんだが」
「犯人ならばまだいいんじゃねーの。」
『どういうこと…?』
「もしかしたら、アイツも何者かに殺害されているかもしれねぇってことだよ。」
『ッ!』


全員が息を呑んだ。
桜乃ちゃんに続いて越前まで…そんな。

その後結局その日は
特定の犯人を絞り出すことも、
越前が見つかることもなかった。



その日から、夜は男が見回りをし、
女子供は部屋から出ないよう命じられた。






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