……………………。



目が覚めて、まず
目に飛び込んできたのは
どこにでもあるクリーム色の天井。


よく聞いてみると、
静かな音でクラシックも流れていた。


そこでやっと、ここが保健室で
自分がベッドで横たわっているのだと気づいた。


あぁ…、体育の時、
結局、私やっぱり倒れちゃったんだ。


かっこわる…。


同じコートにいたんだから、
向日先輩も確実に見てたよね。

最悪だ…。

恥ずかしすぎる…。



「もう…消えちゃいたい。」



 

その小さな呟きのすぐあと、
バサバサーっとハデに
プリントか何かが落ちる音がした。


…?


不思議に思ってベッドを囲ってある
薄ピンクのカーテンをシャっとあけると…


『…向日、先…輩?』
「おま…おまえ…っ」


大きな瞳をこれでもか!ってくらい
見開いて、こちらを見ているのは、
見間違えるはずもない、憧れの向日先輩。


…驚きの理由は謎だが。


「お前…イジめられてんのか?!」
『…はい?』


イジメだと…?



『いえ、イジメられたことはないですが…』
「え、じゃあ、虐待か?」
『はぁ…?』


何のことだ?
そんな不幸そうな顔してるかなぁ、私。


『あの、何を勘違いしてらっしゃるか分かりませんが、私は友達も人並みにいますし、学校生活をそれなりに充実してますし、幸せな家庭で育ってますよ…?』
「…じゃあ、病…」
『大きな病気もないです。』
「そうか、」


やっと納得してくれたのか、
向日先輩は近くのソファに
ぼふっと音を立てて腰掛けた。







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