その人は私と正反対の人。
いつも沢山の友人に囲まれて、
輪の中心にいて、
明るい笑顔で楽しそうに話している。
その笑顔につられて、
みんなも笑顔になって…。
一言で言うなら太陽。
向日先輩はそんな人だ。
初めて見たのは放課後。
私は茶道部に入っているけど、
週一だから、その日は部活がなかった。
特に残る理由もないから、
帰ろうとした時に
ふとテニスコートを見ると、
試合をしていた。
その時、まるで背中に
羽根の生えたように
舞いあがる向日先輩を見つけたの。
丁度、太陽と重なって輝いていた。
眩しくて思わず目を閉じてしまったから、
一瞬しか見られなかったけど、
今でもハッキリと覚えてる。
それからは、部活のない日は
テニスコートにいる向日先輩を
見つけるのが楽しみになっていた。
コートを凝視する勇気はなかったから、
いつも通るときに少し見る程度だけど。
それが、私のちょっとした幸せ。
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