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アガルタの地は果てしなく遠く


理想郷だと謳われたシビュラの信託は、それはそれは黒く深い闇を背負っていた。


「僕は見たいんだ、人の魂の輝きを―――……」

『対象の脅威判定が更新されました。
執行モード リーサル エリミネーター 慎重に標準を定め対象を排除してください』



その偽りのユートピアを守るために正義をふるうは猟犬たち。


「六合塚と縢は俺についてこい!狡噛と征陸は常守監視官に―――」

「実際にスベってんのよ」

「老婆心で言っておくが、あそこで教わったことは現場じゃ何の役にも立たんよ、――理不尽だと思うかい?」


「悪い子だ……」



複雑にかつ正確に仕組まれた、毒を含んだ爆弾は、


「“マキシマ”……光留さんが最期まで追っていた男……」

「これで趣旨が見えた。……やつらはキツネ狩りを楽しむ気だ」



この世界を崩壊させようとばかりに襲い掛かり、伝染し、壊れていく。


『犯罪係数0 執行対象ではありません トリガーをロックします』

「……やめてーっ!!」



亀裂に仕組まれたそれに、真実が暴かれた
その時、


お前に、この世界のすべてを知る勇気があるか―――?


『あなたにすべてをお話ししましょう』




―――お前に奴を止める力が、覚悟があるか―――……?


「残念ながら俺は、それを黙って見過ごすことのできる善良な市民じゃ、ないですから」


「俺は誰かに言われたからじゃない、シビュラの命令に従ったわけじゃない……!
俺は、俺の意思でここに立ってるんです……っ!!」



「……―――慎也さんっ!!」




ディストピア、絶望郷で見つけたのは、


「はっ、はじめまして!公安局刑事課一係監視官の常守朱です!」


「っぁ……ごめんなさい……!守れなかった……っ!私のせいでっ……!!」

「―――大丈夫です、私に任せてください。実はちょっとした秘策があるんです」







「―――……好きだよ」

消えたはずの、春の華―――。