「……っ……!!」
ガシャン!
重たい扉が音を立てて閉まった。
「あんたがいけないんだからね!!」
「そうよ!!だからせいぜい一人で待ってるといいわ!!誰かが助けに来てくれるのをね!!」
「まぁ、誰も来ないだろうけどー」
「あははっ!!確かにー!!」
この重たい扉を隔てた向こう側から今この状況の現況でもある女の子の声が聞こえた。
でも、その声もどんどん遠くなっていく。
……本当に、私はひとりぼっちになっちゃった。
かろうじて閉まりきっていない扉の隙間から入る光。
今はまだお昼なのに、頼りになるのはその光だけで、真っ暗だった。
そんな真っ暗と少しの光の中で、私は体を包むようにしてその場に座った。
……誰かが、悪いとか、そんなんじゃないと思うんだ。
ただ、私はあの人気である男子テニス部のジローちゃんと幼馴染で、
女の子たちはそのジローちゃん達が好きなだけ、……
すごく好きで、そばにいる私が邪魔になるんだ……。
でも、だからって、私はジローちゃんのそばを離れようとは思わない。
離れたくない。
……でも、そういっていたらこのざまだ。
氷帝にも校舎とかとは離れた倉庫があって、そこに私は閉じ込められた。
ここは本当に人の気配がしない。
だから、本当に私はこのまま、誰にも見つけられないままなんじゃないかな。
「……っ、ジローちゃん……!」
ぽつりとこぼれた大好きな幼馴染の名前、
……少しでもその気持ちを紛らわすようにより一層強く自分の体を抱きしめた。
「っ、みーっけたCー!!」
「……!?」
そんなとき聞こえた大好きな彼の声、
ガガガッという音とともに重たい扉が開き、眩しい、眩しいお日様が私を照らした。
「 、ジロー、ちゃん……?どうして……ここにっ……?」
「えへへっ、ナマエがいる場所なら俺何処でもわかるC!!」
そこにあったのはキラキラ輝くいつもの彼の笑顔で。
でも、額には汗がにじんでいて、
……私を探してくれていたのが分かって、嬉しかった。
「……っ、ジローちゃんありがと……っ!
……本当は怖かった……っ!ここでずっと一人ぼっちで、誰にも見つけられないんじゃ……って思って……!!」
「……ごめんね……ナマエ……、でも大丈夫だC−……、俺がどこでも空を見つけてあげる!」
ジローちゃんが来てくれた安堵と嬉しさで、今までため込んでいた感情があふれ出してくる。
そんな私をあったかい言葉とともにギュッと暖かい腕が包み込んでくれた。
「ありがと……、ジローちゃんっ……!!」
「ううん……。ナマエが無事でよかったC−……!」
そういって私を安心させるために笑ってくれる、
そんなジローちゃんはまるでお日様みたいだね。
ポカポカしてあったかくて、キラキラ輝いてて、周りを明るく照らしてくれるの。
その暖かいジローちゃんに私は何度も何度も救われました。
だから、ずっとその大好きなキラキラとした笑顔で、私を照らしてください――
(お日様に照らされて、月は輝く)君の光に導かれ
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