「□大嫌い」
「お前、相変わらず不器用だなー。」
私の許嫁、早乙女乱馬は何時もそうやって私を小馬鹿にする。
「貴様…あかねさんに対する暴言許せーん!!」
何処からか現れた良牙くんが、乱馬に盛大な蹴りをくらわせた。
良牙くんは優しい。
何時もこうして、私を庇ってくれる。
「ってーな!!仕方ねーだろ、本当のことなんだからよ。」
そう言って、ケラケラ笑い出す。
遂に私はイライラがつもって、木槌で乱馬を殴る。
そして、大声で乱馬に向かって言った。
「乱馬なんか、大嫌いよ!!」
「んなっ…!!」
気絶していた筈の乱馬が、ガバッと起き上がる。
「良牙くん、お茶でも飲んで行かない?」
私は良牙くんに向かって微笑む。
「は、はいっ!」
良牙くんの返事を最後に、私はすたすたとその場を去った。
本当に、嫌い。
大嫌い。
私を馬鹿にする乱馬なんか。
そして…
素直になれない自分自身が―…。
end