翌日からあかねは、図書委員長の石川と行動することが多くなった。


委員会活動の打ち合わせ等をする為だ。


朝早くに家を出て帰りは遅くなるものだから、登下校は乱馬と別々だ。

よって、乱馬がシャンプー及び右京達に追いかけられる様を見ることも無くなった。


これで嫌なヤキモチ焼く事もないし、結果オーライじゃないかしら。


流石なびきお姉ちゃんのアドバイスだわ。



あかねは委員会の作業をこなしながら、心の中でなびきにお礼を言った。



「天道、これ印刷しといてくれないか?」


「分かったわ、そこに置いてて。」


石川の頼みに快く応じるあかね。


そういえば、最近は乱馬といる時間よりも石川くんといる時間の方が多いかも…と、あかねはふと思った。

でも家では乱馬とずっと一緒な訳だし、大丈夫よね。

そう考え、あかねは再び作業に没頭するのであった。


◆◆◆



「なあ乱馬、お前最近あかねと一緒にいないよな。」


乱馬の友人、大介が言った。


その言葉に、乱馬は苦虫を潰したような気持ちになった。



「おー、委員会が忙しいんだとよ。」



内心穏やかではないが、ポーカーフェイスを気取る。

「しかしなぁ…委員会といってもあれはなぁ。」


大介の目線の先には、あかねと石川がいた。


その点では、乱馬も大いに気になっていた。


委員会の仕事っつったってあんなに話し合わなきゃいけないもんなのか?

石川、あかねに気があるんじゃねぇか…?


あかねもあかねだ。あんなににこやかに話しやがって。


考えれば考えるほど、イライラは募るばかりで。

乱馬は机に突っ伏せた。


その時だった。


ガシャーンという音が聞こえたかと思うと、チリンチリンとベルの音が教室に鳴り響いた。


シャンプーである。


「ニーハオ乱馬!私、乱馬の為昼ご飯つくてきた。これ、食べるよろし!!」


そうして渡されたのは、豪華な中華料理。


中華料理店を経営している位だ。味も申し分無いだろう。


「なんやシャンプー!!乱ちゃんにはウチがお昼ご飯作るんやで。あんたのそんなわけわからん料理よりもウチの作ったお好み焼きの方がよっぽど美味しいわ!」


その現場を見ていた右京は我負けじと対抗し、その場でお好み焼きを焼き始めた。



何時ものどんちゃん騒ぎが起きている中、誰もが何か何時もと違うことに気付いた。


怒りのオーラが一つ足りないのだ。


「い、いいの?あかね。あのままほっといて。」


心配気に、あかねの友人があかねに話しかける。


「いいんじゃない?それより石川くん、図書館にファイル忘れちゃったでしょ?もうすぐ休み時間終わっちゃうわ。早く取りに行きましょ。」


怒るどころか、あかねは涼しい顔で石川と図書館へと行ってしまった。


それを見たシャンプーや右京は拍子抜けしていた。


乱馬は、あかねに対してやり場のない憤りと喪失感を感じていた。







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