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◆◆◆
「乱馬のばか。」
私は、クッションを抱き締めながら乱馬を睨む。
「だってよ、何回もヤりたいもんは仕方ないだろ?それにお前だって満更でも…」
ボフッ!!
勢いよく、クッションを乱馬の顔面目掛けて投げつけた。
「本当にあんたって、デリカシーってものが無いわね!」
私は図星をつかれ、そっぽを向いた。
「あかね。」
聞こえた、私の名前。
急に乱馬は真剣な眼差しを私に向けた。
「好きだよ。」
何時もの乱馬からは想像出来ないまっすぐな告白に、胸がキュッとなるのが分かった。
「私もよ、乱馬。」
そして私はもう一度、その逞しい胸板に飛び込んだ。
私と乱馬。
お互いにそっぽをむけば喧嘩しちゃうし、お互いに向き合えば素直に好きだって言うことができるの。
そう。
――私達はまるで、マグネット。
end
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