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その日の帰り道。
そんなに悪くないのか?と予想していたあかねの機嫌は、俺と一対一になった瞬間にやっぱり悪くなった。
確かに売り言葉を買った俺も悪いけどよ、売ったのはあかねの方じゃねーか!
だってのに、ぷりぷり怒りやがって…!
俺は今回絶対謝らねーんだかんな!!
そんな自分勝手な考えを巡らしていたフェンスの上の俺。
そんな俺に、あかねは言った。
「…ごめん。今日は私の方が悪かったよね。」
「へ?」
突然の謝罪の言葉に驚く俺。
「…そんなに私が素直に謝るのっておかしいかしら?まあ、今日は機嫌がいいからかもね。」
「機嫌がいいって…何でだよ?」
何だか妙に引っ掛かって、俺はあかねに突っかかる。
「小学生の頃によく遊んでた子が転校してきたのよ。」
「…ふーん。飾ってない感じのイケメン、ねえ。」
「…何よ、女の会話こそこそと聞いてたの?!」
俺の刺のある言い方にカチンときたらしいあかねは、鼻息荒く言った。
「聞いてたんじゃなくて、聞かされてたんだよ!!あんなにクラスに響くようなでっけー声ではなされたら嫌が応にも耳に入るってんだ。」
「どーだかっ。」
せっかくすんなり仲直り出来たと思っていたのに、それから十分もしないうちにまた新たなケンカを勃発させてしまった相変わらずな俺たち。
この関係が、終わりを見せる日なんて果たして訪れるのだろうか?
あかねの後ろ姿を見つめながら、俺は小さくため息をついた。
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