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自分にこんなにも醜い部分があるなんて知らなかった。

ましてや、それを女を通して知ることになるなんて考えもしなかった。


そして今日もお前は、俺を狂わせる――。


◆◆◆



「ねぇ、あかね。隣のクラスに転校生が来たんだって。」

「へぇ、こんな時期に珍しいわね。」


別に耳を傾けていた訳では無いが、俺の耳にはあかねとさゆりとの会話が入り込んできた。


「何々、転校生だって?それってもしかして女子?」

そんな会話は俺だけでなくて他の奴らにも聞こえていたらしい。

そんな男子の面々を代表し、大介はさゆりに真っ先に問いかけた。


「残念ね〜っ、女子じゃなくて男子だそうよ。」


「ちくしょーっ!何だよ、期待させやがって!!」


それを聞いたとたんに崩れ落ちる男子どもを見ていると、同類だと思われたくないと呆れながら感じた。


そして、逆に騒ぎ始める女子達。



「え、容姿どんな感じ?!」

「カッコいい系?カワイイ系?」


一方の男子は面白く無さげに女子の会話を聞いている。


「うーん…私も実際見たことないから詳しくはわかんないんだけど、隣のクラスの子いわく、飾ってない感じのイケメンだって。」


その言葉に湧く、女子の黄色い歓声。


「まぁ、男子だったらあかねには関係ないわよね。」

「そうそう。だってあかねには乱馬君っていう許嫁がいるもんね。」


肘でツンツンとあかねを突つきながら言うさゆりとゆかに、あかねはプイッとそっぽを向きながら答える。


「なっ…あんな変態、お断りよ!」


そして、その言葉にカッときた俺は、何時ものように悪態をつくんだ。


「へっ、俺だっておめーみたいな可愛いげのねー女なんか、お断りだぜ。」


その刹那、椅子が俺の後頭部に直撃する。


「ふんっだ!次は移動教室だわ。行きましょ、ゆか、さゆり。」


「う、うん…。」


そんな会話を最後に、俺の意識は途切れた。


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