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あたしは、今・・・
乱馬に お粥を食べさせて貰っている。

それは、あたしが風邪をひいてしまったから。
ぼぉーっとしていると 乱馬が心配そうに私の顔を
覗き込んできて

「どうしたんだよ、あかね?」
眉をひそめてあたしに言った。

「え・・・。ううん。なんでもない・・・ぼぉーっとしちゃって。」
「あんま、無理すんなよ。ほれ 口開けろ。」

あたしが素直に口をあけて、
お粥を食べさせてもらった。

「もぅ・・・ぃらな・・・い。」
「ん? なんだよ、よく聞こえねぇー。」
と言って、聞いてくる乱馬。

「もう、お粥・・・いらなぃ・・・。」
「そっか。じゃあ 下に持ってくな。」
「うん・・・。」

今、乱馬が寂しそうな顔をしたのは あたしの気のせい?

そう思いながらも、ベットに横になって
いつの間にか すやすやと眠ってしまった。

『あ・・・ちゃん。あ・・か・・・ちゃん。・・・あかねちゃん。』
『うぅーん? なあに・・・?誰・・・?』

名前を呼ばれて、起き上がるとそこには
死んだはずのお母さんがいた。

『お、か・・・あ、さ・・・ん?』
『何言ってるの?あかねちゃん。ご飯だよ。』

そう言って、お母さんはにっこりと微笑んで・・・。

すると いきなり、あたしの部屋から
病院の景色へと変わった。

『ぇっ・・・?なんで、病院・・・?確か・・・あたし
自分の部屋に・・・。』

あたしは、はっとして病室へいそいだ。
あたしが小さかった頃・・・。この病院には
来たことがある。

階段を上って、つきあたりの部屋・・・。
あそこだっ・・・!あそこにお母さんの部屋がっ・・・!

バンッ──────!!

ぇっ・・・・。

そこには、息を引き取ったお母さんがいた。
『おか、あさ・・・。お母さんっ! お願い起きてよっ!
あたしをっ・・・あたしを置いてかないでっ・・・!おかさ・・・』

「あかねっ!」

ふぇ・・・?

「あかね?大丈夫か?」

そこには、乱馬が居てあたしは自分の部屋にいた。

「ら、乱馬・・・。乱馬ぁぁあぁぁぁああああ───!」
そう言って あたしは乱馬に抱きついて 乱馬の胸の中で
泣いた。

乱馬は何も言わずに、背中を優しくさすって
頭を撫でてくれた。
子供をあやすように。


泣いて、スッキリしたと思うと乱馬が
あたしの顔を手でクイッと上に向けさせた。

「大丈夫か、あかね?・・・ったく・・・。
可愛い顔が台無しじゃねぇか。」

と言って、優しい瞳をあたしの目から
溢れる涙を指ですくった。

「ら、乱馬・・・?」
「じゃあ、俺寝るからな。おやすみ、あかね。」
「ぇっ・・・?」

あたしは泣くのに夢中すぎて、今の時間がわからなかった。
今の時間は・・・夜の10時・・・。
7時間もずっと泣いてたの・・・?

「ま、待って!乱馬っ・・・!」

ドアを開けようとした乱馬が、止まり
クルッとこちらをむいて
「どうしたんだ?あかね??」
不思議そうに、あたしをみて聞いてくる
乱馬。

「あ、あのね・・・。いっ、一緒に・・・ね、て欲しいの・・・。」
というと、乱馬があたしの目の前に来て
「馬鹿言ってんじゃねぇーの。ほら、寝るぞっ。」
「だ、駄目な・・・の?」

もう、あんな怖い夢見たくなかった。

「しょ、しょうがねぇな////。今日だけだぞっ!」
「うん、ありがと・・・。」

そう言って、あたしが布団に入ると乱馬は
ベットに座って あたしを優しい瞳で見ている乱馬。

あれ?乱馬は寝ないのかな。

「乱馬は、寝ないの?」
「あ、ああ。」

その言葉に あたしは

「駄目っ!乱馬も一緒に寝るのっ!」
と言って、乱馬のチャイナ服の袖を引っ張った。

乱馬も子供のように、わがままを言うあたしに
戸惑いながらも、
「わ、わーた、わっーた。今日だけだぞっ///」
と言って、一緒に布団に入り ベットに並んで
寝転がる。

安心しながらも、やっぱりどこか不安で・・・。
だから、あたしは乱馬の大きい体にひっついて
寝た。

乱馬も最初は驚きを隠せない様子だったけど、
優しく背中をポンポンッとしながら あたしを抱きしめてくれた。

そのうちに、スースー寝てしまったのか
起きた時には朝になっていた。

「あれ・・・?もう朝・・・?」

乱馬はというと、あたしの机の椅子に座り
机に突っ伏して ガーガーいびきをかいて、寝ていた。

「ありがと、乱馬。」

そう言って、あたしは乱馬にキスをした。

end


◆◆◆

相互記念にColorful worldの乃季様に頂きました^^
私が乱馬だったら絶対にあかねちゃんを美味しく頂くでしょう(屑
素敵な小説をありがとうございました!



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