「ここは…。」


目が覚めると、東風は何故か天道家にいた。



「あら…東風先生、お目覚めになりましたか?」



傍らにはかすみが菩薩の微笑みで座っていた。



「え、あ…こ、こんにちはかすみさん〜。今日もいい天気ですね!!」


「今は夜ですよ。」


東風は相変わらず、かすみの前では支離滅裂な事を口走っていた。



「何で僕は此処に…あ、あかねちゃん!」




状況を飲み込めた東風は、ガバッと立ち上がろうとする。


しかし、かすみがそれを制止した。




「あかねは大丈夫ですよ。…お母さんが、そう言ってましたから。」



「え…」




訳が分かっていない東風に、かすみはもう一度優しく微笑んだ。




◇◇◇




その頃俺は、暗い空間の中を一人で走っていた。



何処からか、あかねの泣く声が聞こえる。


早く見つけてやりたい。


その一心から、俺は無我夢中で走り回る。




一層その声が大きくなったところで、俺は辺りを見渡した。




「あ…!」




人影が見える。



あかねだ…。




俺はその人影に向かって走り出した。



[ 12/16 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -