She Side




あの日から数日たって、メンタル面でかなり強く(元に戻った)なった私は、屋上にいくことにした。どうやらというかやっぱりメンタル面が弱くなっていたのは、テニス部重圧とテストのせいだったらしい。






あら、誰かいるわね。

屋上にはいる扉の前で立ち止まると扉の向こうから言い争う声が聞こえてきた、一人はなんだか聞き覚えがあるような声だった。


というか、聞き覚えがある口調というか











こっそり、扉をあけて中をみる。


ちゃんとあのペテン師さんがいた。





「なんじゃ?」

「なんじゃじゃないわよ、雅治。本当なの?」

「なにがじゃ」

「あの女よ! この頃雅治の周りでうろうろしてるあの女! 噂じゃ付き合ってるらしいじゃない! 本当なの?!」

「あの女? 誰のことじゃよ」

「哀川よ、あの不登校生! どうやって私の雅治に取り入ったのかしら、幸村様にもつきまとわっていい迷惑よね!」



……それが本当だったらどれほどよかったのかしら。

本当に

本当に


「哀川……」

「ええ、あいつ、雅治のこと好きなのよ! イライラするわ! ねえ、聞いてる?」

「おん、聞いとるよ」

「ねえ、雅治。嫌なら私に言って! また学校にこれなくしてあげるから」

「……また?」

「あの子、不登校生で四年ぶりに学校に来たのよ、まったく、調子に乗りすぎよね!」



乙女って本当に怖いわね…。



「……いじるんじゃなかよ」

「えっ?! なんで!別にいいじゃない、あんな女なんか!」

「あいつは、幸村の幼なじみじゃ」

「えっ!?」

「手を出すとお前さんが危なか」

「! 心配してくれるの?! うれしい!」











「……。優しい、あれでも愛鶴は確かペテン師さんのことプレイボーイとか言ってなかったかしら」


四年もあると変わるのかしら


そう思いながら入る機会がなくなったため、今日はそのまま帰ることになった















  
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